Linspire社前CEOのKevin Carmony氏は、自身が運営するブログ「Kevin Carmony's Blog」上で、LinuxベンダーのXandros社がLinspire社の買収を進めていることを明らかにした。Carmony氏はLinspire社株式を保有しており、Linspire社が株主宛に発送した覚え書きから買収の動きが判明した。なお、XandrosとLinspireの両社は、7月1日時点では買収について公式発表していない。

6月30日付のブログ記事によれば、Linspire社から氏宛に覚え書きが到着。そこにはデラウェア州法に基づき、Linspire社が保有するすべての資産をXandros社に譲渡、あわせて社名をDigital Cornerstoneに変更する旨が記載されていた。譲渡契約は6月19日付で締結されており、100名あまりの株主に対する事前説明は行われていないことから、氏は「1人の少数派株主がいるだけだとしても、株主を招集し譲渡に関する説明を行うことが一般良識だ。このような覚え書きをメールで送付してきても意味がない」と、創業者で主要株主のMichael Robertson氏を批判している。

Linspire社は、Michael Robertson氏により「Lindows」という社名で2001年に設立。当初はDebian GNU/LinuxベースのシステムにWindows互換API「Wine」を実装し、Windowsとバイナリ互換の低価格なOSを提供することを目指していたが、互換性の問題により路線を修正。オンライン経由で迅速にアプリケーションをインストールできる「Click-N-Run (CNR)」を搭載した、一般的なLinuxディストリビューションに変更されている。

Xandrosは、Corel社の「Corel Linux」を引き継ぐ形で2001年に営業開始。これをXandros Linuxに名称変更、企業を主対象としたデスクトップ向けLinuxディストリビューションを展開している。2007年にはScalix社を買収、グループウェア製品を製品ラインナップに加えている。