期待される組み込みJava
Javaといえばエンタープライズで利用されるWebアプリケーション、オープンオフィスに代表されるオープンソースで利用されるデスクトップアプリケーションとモバイルで利用されるアプリケーション、例えば携帯アプリが代表格である。この中で組み込みとして利用されるJavaでは、携帯アプリ以外で目にする機会はあまりないが、実際は様々な機器への組み込みが模索されており、実用化している機器もある。
組み込みでJavaを利用には、CPUの処理能力の低さと省リソースが大きな壁となり実用に耐える物ではなかった。ところが、近年の機器ではCPU単価の低下により役割に応じて複数のCPUを組み合わせて利用したり、先日の組込みシステム開発技術展で出展されたIntelのAtomのようなPCで利用されるCPUと遜色のない組み込み向けCPUのリリースなど高速なCPUを組み込み機器で利用できるようになってきた。
SSDなどHDDでは耐久性・信頼性で不安な面もあったストレージもコストとの兼ね合いもあるが利用できるようになりつつあり、これらにともなって、機器はソフトによって多様化できる環境がそろいつつある。
環境の変化としては、利用する部品面だけでなくインフラももはやインターネットへの対応が標準になってきている。無線LAN、PLCなど配線が不要なネットワーク接続も普及しておりインターネット家電と称された家電も今ではいつ登場してもおかしくない環境になっている。
組み込み機器を取り巻く環境が変化する中で、機器として利用する新しい技術は、実は、それほど劇的な技術が生まれているわけではないのはすでに承知のことと思う。特に開発現場では、差別化技術の創出が難しくなっており、ハードウェアだけに頼った開発では限界が出始め、ソフトウェアやインターネットとの融合による付加価値による差別化によって優位性を築く事が重要になってきている。
このような現状において、今後組み込みJavaを搭載した機器が増えてくると考えられている。