米Interactive Intelligenceの日本法人であるインタラクティブ・インテリジェンス日本支社は25日、オールインワンIPコミュニケーション・ソフトウェア・スイート「Customer Interaction Center(CIC)」の最新版となるCIC 3.0日本語版の販売を開始したことを発表した。
CICは、コンタクトセンターに必要とされる各種機能を、シングルプラットフォームのアーキテクチャで提供するIPコミュニケーション・ソフトウェア・スイート。VoIPの標準プロトコルであるSIP(Session Initiation Protocol)に準拠したIP-PBX機能および、ユニファイドメッセージング機能を同一プラットフォームで提供することが可能だ。
Interactive Intelligence プロダクトマネジメント担当ディレクター レイチェル・ウェンティンク氏 |
CIC 3.0では、「顧客が関心を持っていた4つのテーマ"セキュリティの強化""広範囲な統合""設定の簡素化""モビリティの強化"を主要な新機能として取り込んだ」(Interactive Intelligence プロダクトマネジメント担当ディレクター レイチェル・ウェンティンク氏)という。 セキュリティの強化としては、TLSによるSIPのトランスポート・ヘッダの暗号化、ならびにSRTPによる音声パケットの暗号化をサポート。これらの暗号化はユーザーが独自に端末、地域、回線ごとに設定することができ、ACDおよびIVRで設定することが可能だ。また、公開キー/非公開キーの各証明書のサポートも行っている。
さらに、金融や医療などの規制対象業界をサポートするために、CICと予め統合された電話、Eメール、ファックス、Webチャットのインタラクションを記録(レコーディング)し保管する、品質評価のためのアプリケーション「Interaction Recorder」もセキュリティが強化され、録音ファイルの暗号化のほか、録音ファイルの再生時におけるダウンロード制御機能などが追加された。
広範囲な統合としては、Microsoftの「Office Communications Server(OCS) 2007」および「Exchange 2007 Unified Messaging (UM)」との統合を可能とした。この連携により、ユーザーはクライアントインタフェースを柔軟に選択することが可能となるほか、Microsoftが公開するAPIを利用することが可能となった。
また、.NET Framework 3.0ベースの新API「IceLib(Interaction Center Extension Library)」を提供することにより、サードパーティのアプリケーションとの統合も可能となった。
同社では、今後も各種アプリケーションとの統合を進めていく計画で、2008年第3四半期にはSalesforceとの統合を行うほか、SAPやOracleなどにも対応していくとしている。
設定の簡素化では、Polycomの電話機に対する自動設定機能が提供されたほか、GUIベースのIVRフロー作成ツール「Interaction Attendant」にEメールルーティングの設定機能を追加。これにより、優先度設定やEメールの件名、メッセージ本文中の特定ワードやフレーズに基づくルーティングなどの設定が即座に行えるようになる。 また、「Interaction Web Client」を搭載することにより、ブラウザベースでアプリケーションを利用することが可能となり、LinuxやMac OSなどでも利用することが可能となった。
モビリティの強化に関しては、リリースと同時の実装とはいかなかったが、Windows Mobile 5および6対応のソフトフォンクライアントをサポートをまもなく開始するとしており、次期リリースではSymbian OSとBlackberry OSのサポートを予定しているという。
このほか、機能の拡張としては、1つのCICサーバ上でユーザーを最大1万5,000まで設定可能としたほか、3,600のビジネスユーザー、もしくは1,000のコンタクト・センター・エージェントの同時接続に対応した。また、独自のSIPソフトホンを採用、移動先での利用を可能とした。
なお、2008年第3四半期には、管理の簡素化が可能となる「Interaction Monitor」や、カスタマ・フィードバックマネジメント「Interaction Feedback」といった機能が提供される予定。
Interaction Monitorは、ICサーバやSIPプロキシ、ICゲートウェイ、インタラクション・メディアサーバの稼働状況を一元的にモニタできる機能で、他社のゲートウェイの稼働状況もモニタできる。第1段階としてはAudioCodes製ゲートウェイへの対応が図られ、将来的にはCiscoのゲートウェイにも対応していくという。
Interaction Feedbackは、満足度の要因と財務パフォーマンスの影響を定量化する手法を持つコンサルティング企業のCFIグループと提携することで、アンケートや会話分析、トレンド分析などを統合することにより、「顧客の声を掴み取ることで、スーパーバイザによる個別相談などを的確に実施できるようになり、本当の意味での顧客満足度が向上できるようになる」(同)とする。まず、応対直後の顧客に調査を行ういわゆるポストコール機能を搭載する。将来的には設定した"エネルギーレベル"を超える会話をフラグする設定により、感情的な会話を自動的に検出する機能なども取り入れていくとしている。