ルネサス テクノロジは23日、マトリックス型並列プロセッサ「MXコア」を搭載したシステムLSI「MX-G」を製品化したことを発表した。サンプル価格は5,000円で、2008年8月よりサンプル出荷を開始する。

MXコアは、同社独自のアーキテクチャを採用した、メモリ技術をベースとしたマトリックス型プログラマブルプロセッサ。1024個の2ビット演算器(PE:Processing Elements)とデータレジスタ用の1MビットSRAMの対を基本構成とし、それをマトリックス構造に密結合した並列プロセッサ。

演算するデータを外部メモリなどから連続して読み出し、データがそろった後に1024並列での計算を行うことにより、データ読み出しのオーバヘッドを最小化でき、高速処理を行うことが可能だ。外部メモリは最大128MバイトのDDR2-SDRAMを接続することができる。

また、制御用CPUとして、32ビットRISCマイコン「SuperHファミリ」のCPUコア「SH-2A」を搭載。並列プロセッサとCPUで処理負荷の分散を図るとともに、SH-2AのプログラムでMXコアの演算内容を制御することができる。

MXコアの最大動作周波数は168MHz、消費電力は170mW(168MHz動作時)、処理性能は17GOPSを実現している。これにより、例えばXGAサイズの画像について、3×3画素のメディアンフィルタ処理を行う場合、CPUでの処理に対し、同社製品比で約1/100の処理時間で実現できることを確認したとしている。

なお、同社では、SH-2A用で動作するプログラムの開発、解析、評価を行うための開発ツール「SuperH engine family用 MX開発ツールキット」を用意。「MXコード生成ツール」「MXシミュレータ」「MXデバッガ」から構成され、同社マイコンの統合開発環境「High-Performance Embedded Workshop」にプラグインする構成となっている。