シマンテックは20日、同社の企業向けのバックアップ/リカバリソフト「Veritas NetBackup 」を利用した、VMware向けソリューションの説明会を開催した。
ソリューション&プロダクトマーケティングマネージャの浅野百絵果氏 |
同社のソリューション&プロダクトマーケティングマネージャの浅野百絵果氏によれば、仮想化環境においては、仮想マシンどうしのリソースの割り当てや、ディスクおよびネットワークのI/Oがボトルネックになる可能性があり、この点に留意してバックアップを行う必要があるという。
従来からある手法を使ってVMware環境のバックアップを行う場合、各ゲストOS上にソフトをインストールしてバックアップを行う方法と、ESXサービスコンソール上にインストールする方法の2つがあるが、各ゲストOS上でバックアップを行う場合は、ファイル単位でのリストアが可能になるものの、バックアップのI/O処理が他の仮想マシンに影響を及ぼすというデメリットがあり、ESXサービスコンソールで行った場合は、システム全体のバックアップができるというメリットはあるものの、ファイル単位のリストアができない、静止ポイントを作るため、仮想マシンを停止する必要があるなどのデメリットがあるという。
そこでVMware社では、「VMware ESX Server 3.0」で新機能として「VMware Consolidated Backup」を提供した。この機能を利用する場合は、別途VMwareバックアッププロキシサーバ(Windows Server 2003のみ動作)と、VMwareサーバとVMwareバックアッププロキシサーバの両方からアクセス可能なSANディスクを用意し、この中にVMDKファイルを格納して運用する。もし、VMDKファイル全体のバックアップを取る場合は、バックアッププロキシサーバ上にVMDKファイルのスナップショットを作成し、それをバックアップする。この機能により、VMwareのサーバに負荷を与えることなくバックアップが可能だという。
シマンテックのVeritas NetBackupは、このVMware Consolidated Backupと互換性を持ったソフトだ。これを使うと、VMware Consolidated Backupの機能を利用しながら、さらにNetBackupの拡張機能も利用できる。具体的には、VMDKファイル全体のバックから個々のファイルごとのリストアも可能なり、スクリプトを作成しなくてもプロセスを自動化できるなどだ。
また浅野氏は、同社のVeritas NetBackup PureDiskを利用すると、さらにバックアップを効率化できるという。NetBackup PureDiskでは、ディスク上のデータをセグメント単位にチェックし、FP(フィンガープリント)を作成する。そしてもし、すでにバックアップ済みのデータとFPが同じ場合は、そのデータをバックアップしないというものだ。これは、サーバが異なっていても適用され、もし3台のサーバに同じデータが格納されていた場合は、1台分のデータしかバックアップを取らないという。そして、2回目以降は差分だけをバックアップする。これにより、数10台、数百台のサーバがあり、それらに共通のデータが格納されている場合は、バックアップデータ自体を削減でき、浅野氏によれば1/50-1/500程度にできるという。
同社では、単一のイメージレベルバックアップからオブジェクトレベルのリカバリ ( ファイル、電子メール、メールボックス、アイテムなど ) を可能にする機能拡張版「Veritas NetBackup 6.5.3」を9月にリリースする予定だ。