TOP500 Supercomputer Sites」で公表されたスーパーコンピュータランキング

TOP500 Supercomputer Sites」は18日(現地時間)、スーパーコンピュータ処理能力ランキングの最新版を公開した。

同ランキングは、世界中のスーパーコンピュータの中から性能の高いもの上位500をまとめたもの。Tennessee大学のJack Dongarra氏、米エネルギー省 Lawrence Berkeley国立研究所のErich Strohmaier氏/Horst Simon氏、独Mannheim大学のHans Meuer氏らが編纂し、毎年6月と11月に更新している。

今回のランキングで首位に輝いたのは、米Los Alamos国立研究所に設置された米エネルギー省国家核安全保障局(National Nuclear Security Administration: NNSA)のシステム「Roadrunner」。1.02ペタフロップスを達成して、過去の記録を大幅に更新。2位の米Lawrence Livermore国立研究所 NNSAのシステム「BlueGene/L」(478.20テラフロップス)に2倍以上の大差をつけた。

Roadrunnerは、米IBMが設計。コンピューターの基本的な機能をAMD Opteron Dual-Core プロセッサー 6562個が担い、専門的な計算処理をIBM PowerXCell 8i Cell Broadband Engine プロセッサー 1万2240個で処理しているという。また、2位のBlueGene/L、3位の米Argonne国立研究所のシステムもIBMの手によるもの。IBMによると、今回のランキングでIBM製システムは、上位3つを独占したうえ、210ものランクインを達成。全システムの処理能力を合計すると、全体の48%に相当する、5.6ペタフロップスに及ぶという。

なお、4位は、米Texas大学の米Sun Microsystems製システム「Ranger」、5位は、米Oak Ridge国立研究所の米Cray製システム「Jaguar」と続いた。

日本勢では、16位に東京大学 情報基盤センターの日立製作所製システム「T2K Open Supercomputer (Todai Combined Cluster)」、20位に筑波大学 計算科学研究センターのAppro International製システム「T2K Open Supercomputer」、24位に東京工業大学 学術国際情報センターのNEC/Sun Microsystems製システム「TSUBAME Grid Cluster with CompView TSUBASA」、34位に京都大学の富士通製システム「T2K Open Supercomputer/Kyodai」が入った。2004年6月まで1位だった、地球シミュレータセンターのNEC製システム「地球シミュレータ」は、前回の30位から49位に下がった。

なお、今回のTOP500の発表に合わせ、米IBMのほか、米Sun Microsystemsや米Hewlett-Packardもニュースリリースを配信。Sunは、トップ10のうち、6つのシステムで同社のLustreファイルシステムが採用され、5つのシステムで同社製ストレージが使われていることをアピールしており、HPは、同社のブレードサーバ「HP BladeSystem c-Class」で構築されたシステムが176もランクインし、TOP500に入ったブレードシステムの中で66%を占めることを強調している。