米Tektronixの日本法人である日本テクトロニクスは18日、ハンドヘルド型のリアルタイムスペクトラムアナライザ「SA2600」「H600」の2機種を発売した。外形寸法は255mm×330mm×125mm、重さは6kgで、バッテリ駆動も可能。無線機器の設置やメンテナンス、屋外での電波状況・妨害電波の調査といった用途で利用できる。
本製品は、測定する全帯域を一度に計測できる「リアルタイムスペクトラムアナライザ」(以下、リアルタイムスペアナ)である。計測範囲を複数の帯域に分けて計測し、それらを合わせた結果を表示する掃引式スペアナと比べ、突発的に発生する小さなノイズや周波数ホッピングの様子、バースト状態なども明確に表示できる。
これまで同社は実験室などの机の上に置いて使用するタイプのスペクトラムアナライザを発売しているが、ハンドヘルド型のものは初。研究開発だけでなく、無線LAN機器やRFID装置といった無線機器の設置現場でもスペアナを利用したいというニーズに応えたという。
本製品の周波数範囲は10kHz~6.2GHz、帯域幅は20MHz。平均表示雑音レベル(DANL)は-153dBm。GPS機能と地図機能を備えており、各地点での計測結果を地図上にマッピングできる。
デジタルRF計測では、バースト状態など瞬間的に発生する信号を高い確率で捕らえることが重要となるが、「SA2600」の場合にはパルス継続時間が500μs以上の信号を100%捕捉できる。また、「H600」の場合は125μs以上継続する信号を100%捕捉可能。そのほか、H600は違法電波を認識・特定する機能を備えている。
価格はSA2600型が298万円、H600が473万円(いずれも税別)。