セールスフォース・ドットコムは18日、SaaS型CRMアプリケーションの最新版「Salesforce Summer '08」(以下Summer '08)、およびユーザーインタフェース(UI)設計ツール「Visualforce」「Visualforceコンポーネント」の提供開始をした。
Summer '08では、ドキュメント管理・分析ツール「Salesforce Content」の日本語版としては初となる提供開始と、コミュニティ構築ツール「Salesforce Ideas」の機能強化が二本柱だ。
Salesforce Contentはタギングやサブスクリプション、提案などの機能により企業の非構造化データを管理可能であり、また自社が提供する資料や情報の効果を分析できる。Salesforce Ideasは複数コミュニティを構築でき、項目のカスタマイズやモニタリングが可能。
この他、パートナーとの協業関係における諸活動を可視化する「Salesforce Partners」、SFAツール「Salesforce SFA」で任意のオブジェクトにおける過去の動向や特定時点での状況を把握可能な分析スナップショット機能の追加、マーケティング成果の評価分析ツール「Salesforce Marketing」、「Salesforce Call Center」および「Salesforce Customer Potal」における異なる標準時間帯(タイムゾーン)の一元管理、Google Appsとの連携によりリアルタイムのコミュニケーションやコラボレーションを実現する「Salesforce for Google Apps」など、新機能の追加や機能強化を施した。
月額利用料金は、Salesforce Contentは1ユーザーあたり4,410円。Salesforce IdeasはSalesforce Group Editionユーザーを除き、追加料金無しで利用可能だが、Salesforce Ideasのみのユーザーを追加する場合は630円。Salesforce for Google Appsは追加料金無しで利用できる。
Visualforceは同社が提供するPaaS(サービスとしてのプラットフォーム)である「Force.com」の要素の一つであり、同プラットフォーム上のアプリケーションのUIを設計可能な開発ツールだ。Salesforceの機能強化やForce.com上のアプリケーション構築が可能であり、これまでに開発者向けプレビュープログラムを通じ全世界で4,000人以上の開発者が1万1,000以上のカスタムインタフェースを構築しているという。
アプリケーションを「AppExchange」上で動作可能にするプログラミング言語「Apex(エイペックス)」と統合しており、またHTML/AJAX/Adobe Flexなどのインターネット技術をサポートする。UIデザイン定義「Visualforceページ」、SalesforceのUI等に合わせたアプリケーションの作成やSalesforceのUIカスタマイズ/管理が可能な「コンポーネント」、UIの挙動を定義する「Apexコントローラ」、画像/スタイルシート/JavaScriptライブラリなどUI作成に使用するリソースの作成・参照・管理を支援する「静的リソース」、インラインページとコントローラの編集機能などを備える。
Visualforceコンポーネントは、SalesforceのUIにおける項目/ヘッダ/リストビューなど基本構成部分をコンポーネント化したものであり、オリジナルのアプリケーション等にこれらのパーツを利用できるとともに、セールスフォース・ドットコムやサードパーティ製パーツの取り込みや自ら作成したパーツの追加や再利用も可能だ。
開発者はコンポーネントライブラリの利用によりデザインの設計を省力化でき、CSSによるスタイル拡張もできる。カスタムインタフェースのパターンやカスタマイズ内容をVisualforceにコンポーネントとして取り込むことで、Apexを用いてForce.comプラットフォーム以外を含む複数のアプリケーションからの情報統合も可能だ。
VisualforceおよびVisualforceコンポーネントは、Salesforceの全てのエディションで利用できる。