米Microsoftはフロリダ州オーランドで開催中のTech Ed IT Pro 2008で、「Internet Explorer 8 (IE8)」のIT管理者向けの強化点を説明した。
昨年Microsoftは2000人を超えるIT管理者を対象にアンケート調査を行った。その結果、懸案事項として「新技術の導入と展開」「アップデート/ アップグレードの管理」「アプリケーション互換」「データ、ネットワーク、システムのセキュリティ」などが浮き彫りになったという。
Internet Explorer 7では、Windows XPの一部として導入するのに手間がかかるという意見が寄せられた。既存のイメージから一度起動し、同アプリケーションを組み込んだWindows XPのイメージを作成し直すというひと手間が必要である。IE8では、Windows Vistaのイメージに同アプリケーションを直接組み込むこと(スリップストリーム)が可能になる。現在約2時間ほどかかっている作業を10~15分程度で完了できるそうだ。スリップストリームはIE8のアップデートにも利用できる。
IE8ではより標準規約に準拠したスタンダードモードをデフォルトレンダリングになる。そこでMicrosoftは企業内のアプリケーションやWebサイトとの問題検出と解決を支援するために、Application Compatibility Toolkit (ACT) に新イベントを追加する。また互換に影響を及ぼす設定を細かくコントロールできるグループポリシー設定を提供する。
セキュリティに関しては、Internet Explorer 7でフィッシングフィルター、ActiveXのオプトイン、検証・認定の拡充などが行われた。IE8でも引き続きフィッシングやマルウエア対策が強化される。例えばActiveXの導入をユーザーアカウントに制限できるなどインストールの選択肢が広がる。互換性を維持しながら危険なサイトからの被害の拡大を食い止められるオプションだが、企業においてはIT管理者がグループポリシーを通じて選択肢を管理し、既知の危険なサイトへのアクセスを完全にブロックできる。
IEのカスタマイズを可能にするInternet Explorer Administration Kit (IEAK)は、バグ修正により動作が安定し、パフォーマンスも向上するという。またWindows VistaやWindows Server 2008、IE8の新機能であるActivitiesやWeb Slicesなど、最新のプラットフォーム向けのカスタマイズに対応する。
上記のIT管理者向けの強化は、2008年8月にリリースされる予定のIE8のベータ2に含まれる予定だ。