総務省と厚生労働省は10日、「平成20年度テレワーク試行・体験プロジェクト」への参加者の募集開始を発表した。同プロジェクトは、企業や地方公共団体に勤務する職員にテレワークを試行/体験してもらい、その効果や効用を測るのが目的で、2007年度に続く実施となる。

プロジェクトでは、参加者に対して、パソコン画面データのみの転送を特徴としたリモートアクセスサービス、およびIP内線電話サービスを提供。 参加者は、テレワーク拠点であるサテライトオフィスや自宅等の手元端末から、プロジェクトで配布する個人専用USB型認証キーを利用し、インターネットを経由して社内に設置された業務用端末、または社内システムにセキュアに接続し、パソコン画面の遠隔操作のみのリモートアクセスを行うことができる。 また、手元の端末からIP内線電話サービスに接続し、社内や他のテレワーク体験者との内線通話の発着信が可能となる。

安全面への配慮では、ユーザー名/パスワードなどによる認証に加え、個人専用のUSB型認証キー(ハードウェア認証)が採用される。USB型認証キーなしでは、社内設置業務用端末へアクセスできない仕組みを実現しており、なりすましによるアクセスを防止する。さらに、通信を暗号化することにより、通信経路上での情報漏えいを防止し、テレワーク拠点端末で扱うデータに関しても、社内の自席設置端末等の画面データのみとし、社内のファイルやメールの情報はいっさいダウンロードできない体制を整えるなどのセキュリティが施されているという。

募集受け付け期間は7月11日まで。プロジェクトの実施期間は同年9月から2009年1月までの約5カ月間を予定している。対象はテレワークに興味がある企業、または地方公共団体で、個人からの受け付けは行っていない。1.5Mbps以上のブロードバンドでWeb閲覧でき、Windows 2000以降のOSを搭載したパソコン環境が必須の参加条件で、今回の募集では200社程度の採用を予定している。ただし、多くの企業や地方公共団体にテレワークを体験してもらうことを目的としているため、1企業あたりのテレワーク体験者数は10名までが目安となる。プロジェクトへの参加費用は不要で、参加企業、および自治体にはプロジェクト実施後にアンケートの提出が求められる。