WebアプリケーションのデバッグツールとしてはFirebugが有名だ。FireBugを使うことでJavaScriptの実行のみならずCSSやHTMLのデザインも調査できる。もはやWebアプリ開発には欠かせないツールだ。Firebugをベースにして開発されたYSlowもWebサイトのパフォーマンスを分析するツールとして代表的存在といえる。

クロスブラウザデバッグツール NitobiBug

FirebugもYSlowもとても便利なツールだが、問題はFirefoxのアドオンとして実装されているということだ。Firefoxのシェアは純増しているとはいえ、Net Applicationsの調査によればIEのシェアは73%をこえている。6%のシェアを突破したSafariの存在も無視できない。そこでデバッグツールとしてクロスブラウザで動作するNitobiBugに注目してみたい。

NitobiBugはNitobi Softwareから公開されているクロスブラウザデバッグツール。MITスタイルのライセンスで提供されており、今のところIE6以上、Firefox 1.0以上、Safari 3以上、Opera 8以上がサポートされている。NitobiBugのクロスブラウザの秘訣はデバッガそのものがJavaScriptで開発されている点にある。デバッグしたいページに指定を追加することでデバッグを実施できる。アドオンのように特定のWebブラウザに特化した機能ではないためクロスブラウザというわけだ。

今のところ実現している機能はオブジェクトの精査とDOMの精査だ。デザインまで含めて包括的なデバッグツールとして活用できるFirebugと比較すると機能は低いが、Firefox以外のブラウザでどういった値が保持されているのか、どういったDOMに展開されているのかをチェックできる。Firebugと組み合わせて活用することでデバッガビリティを向上させることができる。

動作はシンプル - デバッグウィンドウに情報が表示される

デバッグ情報はウィンドウとして表示される。ウィンドウはサイズの変更ができるほか、ポジションを自動的に保存しておく機能があり、ページをリロードした場合でも同じ場所に表示されるという特徴がある。ウィンドウはJavaScriptコンソールにもなっておりオンザフライでJavaScriptコードを実行することも可能だ。IEやSafariでのデバッガを探している場合にはNitobiBugを検討対象に追加してみるといいだろう。