TSUTAYAグループのTSUTAYA BBは6日より、デジタルテレビ向けポータルサービス「アクトビラ」で提供している専用チャンネル「TSUTAYA TV」において、ハリウッドのメジャースタジオ4社の映画を含む映像作品をHD画質で提供すると発表した。
今年のTSUTAYAはハイデフ元年
「TSUTAYA TV」はブロードバンド接続機能を持ったデジタルテレビ向けポータルサービス「アクトビラ」の人気チャンネルのひとつ。フル画面でハイビジョン映像を含む高画質映像を楽しめる「アクトビラ ビデオ・フル」に対応したサービスで3月1日に開設以来、これまで劇場映画の予告編やランキング情報などを無料で提供してきた。今回の発表はそれに加えて有料コンテンツの配信を新たに開始するというものだ。
説明会のホストを務めたTSUTAYA BBの渡邉健執行役は、まず「今年のTSUTAYAはハイデフ元年。すべてのプラットフォームを使って、高画質映像の素晴らしさをお客様に訴求していく」と発言し、新たなサービスの内容を説明。それによるとパラマウント・ピクチャーズ、ウォルト・ディズニー、ワーナー・ブラザース、NBC ユニバーサル・インターナショナル・テレビジョン・ディストリビューションといったハリウッドメジャースタジオ各社から提供を受けた映像が「TSUTAYA TV」の新コンテンツとして加わるという。
その具体的なタイトルはTSUTAYAの店頭でも人気が高いという「HEROES/ヒーローズ」「LOST」「デスパレートな妻たち」など、海外テレビドラマシリーズに力を入れたラインナップとなっている。オリジナルのコンテンツも提供していくとのことで、その第一弾として「やったー!」で決めセリフでブレイクした「HEROES/ヒーローズ」のヒロ・ナカムラ役を演じるマシ・オカの単独インタビュー映像なども提供するという。また、映画作品もサービス開始時に「トランスフォーマー」「オーシャンズ13」「幸せのレシピ」などを配信。7日には「ブレイブ ワン」「インベーション」、13日には「ボーン・アルティメイタム」といったように近作も順次配信される予定だ。タイトル数は開始時に約100タイトル揃い、6月末までには約200タイトルに拡充され、その後も順次増やして「将来的には2,000タイトルまで拡充する」。これらの作品は渡邊氏の最初の発言からもわかるとおり、約7割がHD画質となる。
表示環境を刷新。モバイルとの連携強化も
利用料金は画質や画面サイズによって差別化が図られており、1作品210円から715円まで。購入後、それぞれ48時間視聴できる仕様で、まとめて購入することで値引きが適用されるほか、視聴期間が長くなるパック販売も用意される。なお、テレビシリーズは基本的に第1話は無料で視聴可能だ。
支払い方法はクレジットカード、あるいはSo-netなどの提携プロバイダによる決済に対応している。TSUTAYA会員は登録時にTポイント番号を入力することで、店頭同様にレンタル作品に応じてポイントも付与されるという。
また、今回の配信開始にともなってTSUTAYA BBは「TSUTAYA TV」のリニューアルを敢行。作品ごとにQRコードを表示してモバイルサイトとの連携が組み込まれたほか、ユーザーインタフェースもリモコンで簡単に操作できるように改良し、「アクトビラ内で最も速い表示」を実現したという。現時点では「アクトビラ」は1画面に5作品までしか表示できない仕様だが、これを受けてアクトビラの代表取締役副社長の久松龍一郎氏も「タイトルが増えていくと作品を探すのが難しい。オススメ機能やカスタマイズ機能を搭載するなど、鋭意改善を加えていく」とコメントした。
説明会の会場では「アクトビラ」に対応する5メーカーをテレビが展示して「TSUTAYA BB」のデモンストレーションが行われていた |
現時点では1画面に5作品までしか表示できない「アクトビラ」だが、配信作品の増加にともなって改良を目指しているという |
なお、渡邉氏によれば会員数の獲得目標は「プレミアム感が高いサービスだと考えているので、数は少ないかもしれないが今期中に5万人」を目指すとのこと。すでにソニー・ピクチャーズと20世紀フォックスのコンテンツを要していた「アクトビラ」は、これで6大メジャーのすべてが揃った格好となる。それだけに今回の「TSUTAYA TV」の本格展開は普及への大きな援軍といえるだろう。