マイクロソフトは4日、MSNの検索サービス「Live Search」の発展を目指し、Q&Aサイトの「MSN相談箱」を刷新した。Q&Aサービスとしての機能、検索サービスとの連動を強化するとともに、本サービスの提供で協力を得ているオウケイウェイヴとの連携をさらに進展させる。また、新たな「MSN相談箱」の認知度向上のため、社会的なテーマについて広く意見募集する「MSN相談党」を6月4日~8月31日に実施、党首には人気モデルの押切もえが就任する。
Q&Aサイトを「悩み相談の場」から「知識検索の場」に
Q&Aサイトは一般に、何らかの疑問あるいは悩み事を受け付けるWebサイトに、エンドユーザーが質問すると、他者が知識や経験をもとに回答を寄せてくれるしくみだ。このようなQ&Aのサービスは、ブログやSNSと同様に、ユーザー自身が生成していく「媒体」、いわゆるCGMのひとつとされており、徐々に利用が進んでいる。しかし、ブログやSNSに比べると、依然として認知度や普及度は低い。たとえば、mixiの登録ユーザー数は1,000万人を超えているが、オウケイウェイヴのQ&Aサイト「OKWave」の登録数はパートナーサイトを含め112万人、Yahoo!知恵袋のそれは202万人だ。
このような状況についてマイクロソフトは、Q&Aサイトは「悩み相談の場」という位置づけの傾向が強いとの背景があるとみている。今回、同社はQ&Aサイトを知識検索の場として活用すべきであると提案している。同社の笹本裕 執行役常務 オンラインサービス事業部長は「検索サービスは進化が続いているが、未だ幼年期にある。これまでは基本的に、動画、地図も含め垂直的な検索だった。それはさらに強化していくが、これからは知識を横串にして、人の知識を参考にした検索が求められているのではないか。知識のデータベースが必要になる。Webは有限だが、人の知識は無尽蔵だ。ここに大きな価値を見出せる」と話す。
Live Searchと連動
マイクロソフトのQ&Aサービス戦略は「MSN相談箱」を活用、Web検索で見つからない内容を「人の知識」から発見することができるようにする。MSN相談箱の最新版では、従来の検索サービスとの連動を強化。Live Searchで検索して、目的に適合した結果が見つからなければ、相談箱で検索、あるいは質問できるようにする。Live Searchでの検索から、相談箱へと誘導していくしくみはまだ実装されていないが、同社では今後、さらに効果的に誘導できる機能を組み込んでいく考えだ。
一方、相談箱の利用中に気になる語句が出てきた場合、その場でLive Searchで検索できるなど、両者の相互利用で利便性を向上させる。また、Windows Liveとの連携も進めていく予定。メッセンジャーから相談箱のQ&Aを検索でき、Windows Live Agentsの「相談ちゃん」と会話する形式で問題を解決していけるという。
「きざし」「きづき」がQ&A検索の特徴
新サービスのデモでは以下のような例が示された。これまでの検索では、たとえば、職場ではなかなか相談相手が見つからない新人OLが、就職活動中に着ていたのとは異なるスーツを探そうとする。検索エンジンを用いて、検索窓に「女性 仕事 スーツ」と入力すると、オンラインショップのURLがずらりと並ぶ。職場ではどんなスーツが一般的か、あるいはどこまでが許容範囲かといった疑問には答えは出てこない。そんな場合に「仕事をする女性のスーツ」を「相談箱」で尋ねるとが効果を発揮するというわけだ。
マイクロソフト プロダクトマネージメントグループの浅川修治シニアディレクターは「いまの検索エンジンは、何かを探そうと思っても、出てくるのはURLやレストラン検索サイトのURLなど、探しているのに、またここで探せということになり、問題解決にはならないこともある。URLではなくアンサーを返すべきだろう」と述べている。
オウケイウェイヴの兼元謙任社長は「従来のWeb検索は、前日にたまたまテレビで視たCMというような、あいまいなものや、ごく少数の人しか知らないような学術データなど、ニッチなものの検索はなかなかできない」と指摘、これらはQ&Aサイトで、複数の人々の知識、経験などによる情報により、回答が得られることになる。あるいは、相談のやりとりを通じて、今後、脚光を浴びるかもしれないものの「きざし」、思いがけない知識や情報がわかる「きづき」もQ&Aの特徴であると解説する。同社は2006年10月から、パートナーサイトとして、MSN相談箱にサービスを提供。マイクロソフトは今年3月、同社に10%出資するなど提携関係をより強めている。
押切もえ「日本には『みんなの知識』が不足しています!」
今回のサービスの発表会見には、「MSN相談党」の押切もえ党首も登場、「一人の知識はみんなのために、みんなの知識は一人のために。日本には『みんなの知識』が不足しています。知と知を結んで、価値を創造していきましょう」と宣言、「仕事環境を向上させ、より良い日本をつくる」「健康と美を追求し、美しい日本にしよう」との同党のマニュフェストを発表した。
押切は先日、巨人の野間口貴彦投手との交際を報じられたが、司会者が「押切さんは熱愛が発覚しましたが、そういえば、相手の方もトウシュですね」と話すと、「私もトウシュになりました、と報告したら、驚いていました」と照れながら答え、会場は爆笑に包まれた。司会者が話題を変えようとすると、彼女はそれを遮り「まだ、お付き合いが知られていなかった頃、海外に彼やお友だちと旅行に行きました。そのとき、空港のラウンジで原(辰徳)監督とばったり会ってしまったんです」と秘話を明かした。