東芝と大日本スクリーン製造は4日、半導体製造ラインの洗浄工程において、ウェハ洗浄装置から揮発して大気中に放出されるイソプロピルアルコール(IPA)を約75%除去する装置を共同で開発したと発表した。

IPAはVOC(Volatile Organic Compounds:揮発性有機化合物)の一種で、環境負荷低減の観点から浄化・無害化が求められていた。半導体の製造では、ウェハの洗浄工程などに用いられていることから、その排出濃度および排出量の削減が化学物質管理において課題となっていた。

今回開発された装置は、ウェハ洗浄装置内部に設置可能な排気と排液を分離する気液分離ボックスで、排気からIPA蒸気のみを捕集し、排液に溶解除去させることで、排気中のIPA濃度を低減するというもの。これにより、従来、工場の設備である室外除外装置で除去していたIPAを、既設のウェハ洗浄装置などでも除去することが可能になる。

開発は、東芝が基本コンセプトの技術提案を行い、大日本スクリーンが洗浄装置に内蔵するための装置設計などを行った。

なお、同装置は、東芝の半導体工場である四日市工場ならびに大分工場での導入が予定されている。