ポータルサイト「Daum」の看板サービスともいえる「カフェ」が、このたび9周年を迎えた。韓国で「カフェ」といえば、大部分の人が知っており、利用したこともあるサービス。9年もの間人気サービスとして定着しているカフェとはどんなサービスなのだろうか?
簡便性で人気沸騰、730万以上のカフェが存在
「カフェ」は、同好会や同窓会を始めとした共通点を持つ者同士が集まったり、特定のイッシューに対して意見交換を行ったりするなど、複数の人が集まり意見や情報を交換できるコミュニティの場を提供するサービスだ。
特定のカフェにログインすると、テーマ別の掲示板がいくつかあり、そこで会員たちが情報交換などを行っている。またDaumの会員であれば、誰でも簡単に新たなカフェを開設できるのも特徴。
Daumを運営するDaum Communicationによると、当初は「地域や同窓会など、各種同好会サービスから出発した」というが、難しい手続きなしに開設や加入ができる手軽さもあってか、現在その数は730万以上に達しているという。
カフェの種類も実に多様だ。政治・経済から、生活、エンターテインメント、同窓会、学術研究、宗教まで、実に182ものカテゴリの中に、あらゆるテーマのカフェが存在している。中には宝くじの当選番号の数字を研究する会、インド映画を愛する人たちの会、30代以上の未婚女性に限定した集まりなど、ユニークなカフェもある。
カフェの使い方は人によってさまざまだが、インターネット上の主要な情報収集手段として、また、同じ考えを持つ者同士交流するための場として、会社や学校を離れた場所での人脈作りのツールになっている。複数で集まることが何より好きで、インターネット活用度の高い韓国人の特性をとらえている点が、このサービスに人が集まる理由といえよう。
骨付き牛肉関連カフェなど、社会問題のテーマも続々
カフェからは時に、社会問題に対する提言が発せられたり、行動が起こされたりすることもある。例えば2007年、韓国西部の泰安沖でタンカーとクレーン船が衝突し、大量の原油が海に流出した事件が起こった際は、早速ボランティアを募るカフェが出現。多くのボランティア希望者が集まり、実際に泰安に行って海に流出した原油の回収に当たった。
さらに最近では、骨付き牛肉を米国から輸入・販売することが決まった事に対し、米国産牛肉に関連する複数のカフェが作られた。
その中には、輸入牛肉をはじめとした牛肉そのものの安全に対する知識を学ぼうとするカフェ、輸入反対デモへの参加者を募るカフェなど、さまざまなカフェがある。こうしたことを見れば、この問題がいかに韓国において重大な事件であるのかを知ることができる。
これらを見ても分かるように、カフェでは単にオンライン上で論議だけしているのではなく、実際に会ったり行動を起こしたりするのも、活動の活発なカフェでは普通となっている。インターネット活用の盛んな韓国だが、カフェのようにインターネットから実社会への波及効果も大きいという点が、韓国をインターネット大国たらしめている1つの理由であるようだ。