シマンテックは、3月から4月にかけて、スパムメールの現状に関する調査をWebによる自記式アンケートにより実施し、その結果を公表した。対象は企業内のネットワーク管理業務従事者と企業内の電子メールユーザーで、それぞれ534件と848件の有効回答を得た。シマンテックでは、このような調査を2004年9月から実施しているという。

それによると、1企業あたりの1日の平均電子メール受信数は11万5,394通で、前年比10.6%増。このうちスパムメールが占める割合の平均は約32%で、2004年9月(16%)、2005年9月は(18%)、2006年4月(20%)、2007年3月(28%)と、年々上昇している。ただ、この数字は、サーバでのスパム対策実施後の数字なので、実際のスパムメール比率は10%程度高いのではないかという。

企業全体の電子メール受信数

企業のスパムメール受信比率

シマンテック ソリューション&プロダクトマーケティング プロダクトマーケティングマネージャ 今村康弘氏

企業におけるスパム対策の導入比率は63.3%で、前年比5.9%増となっており、メールセキュリティ分野の中で最も成長率の高い対策となっている。ただ、シマンテック ソリューション&プロダクトマーケティング プロダクトマーケティングマネージャの今村康弘氏によれば、サーバ側のスパム対策ソフトの導入率は43.1%で、メーラのスパムフィルタやユーザーによる手動削除に頼っている部分もあり、一概にスパム対策が進んでいるとはいえないという。

メールセキュリティ対策の導入状況

スパム対策の利用状況

スパム対策の不満点としては、誤検知や検知率の低さのほか、導入・保守コストの高さが上位を占めた。

今村氏によれば、サーバ側でスパム対策ソフトを導入すれば、スパムメールの70%は排除できるという。また同氏は、フィルタ導入などの対症療法に留まらず、ゲートウェイレベルで防ぐ仕組みや、データをアーカイブするなどして、検索に時間がかからないようにする対策も必要だと語った。