Business ObjectsのCEO John Schwarz氏。SAPによる買収後も独立した事業体として運営する

独SAPがドイツ・ベルリンで開催した年次カンファレンス「SAPPHIRE 2008 Berlin」で最終日の5月21日、SAPカンパニーとなったBusiness ObjectsのCEO、John Schwarz氏がSAPの新しい顔として登場した。Schwarz氏はSAP顧客を前に、SAPとBusiness Obejectsの組み合わせで何が実現できるのかを説明した。

SAPは今年1月、約48億ユーロを払ってのBusiness Objects買収を完了した。SAPにとっては、過去最高の買収金額となる。Business Objectsは買収後も独立した企業として、運営されSchwarz氏はCEO職を続投する。

Schwarz氏はまず、Business ObjectsとSAPの合体を次のように表現した。「ナンバー1の業務アプリケーションベンダとナンバー1のBIベンダが合体する。企業パフォーマンス最適化を実現するトップベンダになる」とSchwarz氏。そして、「戦略立案、戦略の認知徹底、戦略の将来に関する洞察と理解、戦略実行に合わせた変化、これらをすべて実現するベンダが登場することになる」と続けた。

企業の多くが抱える課題として、トップが立てた戦略と従業員の実際の業務との間のギャップがある。トップは戦略がどのように実装されているのかを把握できずにいる。執行側には、情報のサイロという問題もある。戦略と執行がばらばらになっているのは、2つの間にコミュニケーションの層がないためだ。

「SAPとBusiness Objectsの合体により、このバリアを打破する」とSchwarz氏。では具体的には、どうやって戦略と執行の間をリンクするのだろうか?