英Vodafoneは5月27日(現地時間)、同社現CEOのArun Sarin氏が7月29日付けで退任すると発表した。同職には現在欧州担当CEOでVodafone Group全体のCEO補佐であるVittorio Colao氏が就任する。またVodafoneは同日、2008年3月末までの通年決算も発表している。同年度のグループ全体の売上は355億ポンドで、前年同期比14.1%のアップとなる。データ通信の大幅な伸びのほか、インドやトルコなど欧州外の地域での企業買収によるビジネスエリア拡大が増収増益に寄与した。
インド出身のSarin氏は、後にVodafoneと合併することになる米AirTouch Communicationsの前身Pacific Telesisに在籍、現CEO職には2003年7月に就任した。当時、日本での事業失敗など拡大政策が岐路に立つなか、不採算地域での事業の清算やコスト削減策などを断行し、企業改革を推し進めた。一方で前述のインドや東欧地域など、新興国への進出を積極的に進め、現在ではパートナー企業も含め全世界で30ヶ国以上の携帯電話ネットワークを築いている。
一方のColao氏はイタリア出身。現在のVodafone Italyの前衛となるOmnitel Pronto ItaliaのCEOを務めていたほか、Vodafone Groupの地域別CEOを歴任している。その後、イタリアを中心に活動するメディア企業のRCS MediaGroup CEOに就任、現職のVodafone Group CEO補佐には2006年に就任している。