日本ヒューレット・パッカードは26日、同社の第5世代ブレードサーバシステム「HP BladeSystem c-Class」の新製品として、1台のハーフハイトブレードサーバに2ノードを格納した高密度ブレードサーバ「HP ProLiant BL2x220c Generation 5」、および同社の4 CPU搭載型x86サーバ「HP ProLiant DL580 Generation 5」の1CPU標準搭載モデルを発表した。ユーザのニーズに合わせてスケールを調整可能な新2モデルの投入で、好調な伸びを見せるx86/ブレードサーバ市場において、さらなるシェア獲得を狙う。
HP ProLiant BL2x220c Generation 5
「設置スペースの削減」「軽量化」「省電力」にこだわった結果、日本HPが出した答えはなんともユニークな形状のブレードだった。1台のハーフハイトブレードをそれぞれ独立した2つのノードで構成、2台分のサーバを1台分のスペースで設置可能で、かつサーバ2台分よりも少ない消費電力(BL460cと比較して1ノードあたり30%減)を実現している。「10Uの中に32ノードを格納でき、最大構成時でBL460cに比べて540gの軽量化を実現している。同じ荷重制限の場所なら2倍のサーバを設置可能」(日本HP エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 ISSビジネス本部 サーバプロダクト・マーケティング部 木村剛氏)、また、CPUとしてIntel Xeon 5400を1ノードあたり2基、最大4基搭載可能となっている。
それぞれのノード(ノードA/ノードB)はまったく独立したサーバとして稼働させることが可能で、ネットワークに出る口のみ両ノードで共有する。
サーバノードあたりのスペック
CPU | 最大2基: クアッドコア Intel Xeon 5400またはデュアルコア Intel Xeon 5200 |
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メモリ | 最大16GB(4スロット) |
チップセット | Intel 5100 |
内蔵HDD | 1ベイ ノンホットプラグSATA 120GBシリアルATA |
内蔵NIC | 標準1GbE 2ポート |
拡張スロット | PCIeメザニンスロット1個 |
遠隔管理 | Integrated Lights Out 2 Standard Blade Edition |
価格は73万5,000円からで、出荷開始は6月下旬。
同社はBL2x220c G5を「c-Classの1スロットに2台のサーバノードを搭載可能にしたことで、1ラックに256CPU/1024コアを搭載可能にした。これはラックマウントサーバ(DL360 G5)の3倍密度にあたる。設置スペースの限られたSMBユーザのニーズにマッチした製品」(木村氏)とし、1案件ごとにサーバ数百台の案件が発生するような半導体設計やWeb2.0システムなどでの需要増を見込んでいる。
HP ProLiant DL580 Generation 5 1プロセッサモデル
もうひとつの新モデル「HP ProLiant DL580 Generation 5 1プロセッサモデル」は、すでに同社から発売されているHP ProLiant DL580のエントリモデルだ。4U/4CPUサーバのDL580は、最小価格(2CPU/4GB)で136万3,950円と、15万~30万円の価格帯のスケールアウト型サーバに比べかなり高額のため、将来の拡張を望みながらもその導入費用がネックとなっていたユーザも多かった。
今回の1CPU搭載モデルは、仮想化プラットフォームやデータベースサーバなど、当初の導入費用を抑えたいシステムに適しており、価格は従来の最小構成価格の約1/3、49万9,800円に設定されている。出荷は6月下旬から。主なスペックは以下の通り。
ProLiant DL580 1プロセッサモデルのスペック: カッコ内は拡張可能な数値
CPU | クアッドコア Intel Xeon E7310 ×1基(最大4基) |
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メモリ | 2GB(最大256GB) |
HDD | ディスクレス(最大16基/2.336TB) |
拡張スロット | 標準8本(11本まで拡張可) |
設置スペースを最大限考慮した"スケールアウト"型の新ブレードサーバと、将来の拡張に備えた"スケールアップ"型の新モデル、最近とくに同社が力を入れているSMB市場におけるプレゼンス向上を狙っていく構えだ。