KVMスイッチ、シリアルコンソールサーバ、リモートアクセス機器などの販売を手がけるRaritanの日本法人である日本ラリタン・コンピュータは23日、電気用品安全法(PSE法)に適合したインテリジェントPDU(Power Distribution Unit:ラック用電源タップ)「Dominion PX」のファームウェアバージョン1.1の提供を開始したことを発表した。
Dominion PXは、サーバやネットワーク機器が接続されたコンセント電源のON/OFFや、消費電力情報のモニタリングを、ネットワーク経由でリアルタイムに実行できるPDU。
1Uタイプ2製品および0Uタイプ3製品の計5製品が提供される。ラックまたはコンセントごとの消費電力状況をWebブラウザないしPDUに備え付けられた電流・電圧モニタにて詳細に把握できるため、電力のキャパシティプランニングを効率的に行うことが可能となる。
また、同社のKVM製品と組み合わせて使用することができ、KVMスイッチのメニュー上から関連付けをすることが可能となっている。
さらに、バージョン1.1より、オプションとして温度ならびに湿度を計測することができるセンサが提供されている。これにより高温のラックの特定が可能となり、機器を効率良く冷却するための対策を講じることができるようになるという。
提供されるのは、温度センサ「DPX-T1」、温度・湿度センサ「DPX-T1H1」、温度・湿度センサを2つ備えた「DPX-T2H2」の3製品。このほか、センサを4つ接続することが可能な追加用HUB「DPX-ENVHUB」の提供が6月下旬より予定されており、「HUBを用いてセンサを接続することで、最大8点(DPX-T2H2を4つ接続した場合)の計測が可能となる」(日本ラリタン・コンピュータ プロダクトマーケティング 部長 栗田正人氏)という。
価格はDominion PX、センサともにオープン価格だが、市場相低価格としては、Dominion PXが12万6,000円から、センサが1万数千円程度からとしている。
なお、同社では、既存の顧客に対するファームウェアのアップデートについては無償で提供するとしているほか、現在、センサで計測したデータなどを保存し、活用することができるソフトウェアの開発を進めているとしており、早ければ年内にもリリースする計画である。