米Yahoo!は5月22日(現地時間)、7月3日に予定されていた同社株主総会を延期すると発表した。米証券取引委員会(SEC)に提出された書面によれば、延期後の日程は"7月末前後"となる見込みで、現在投資家のCarl Icahn氏から仕掛けられている委任状争奪戦の内容の精査後を目処としている。
SECの規定では、株主に株主総会通知書(Proxy Materials)を送付する少なくとも10日前までに予備的通知書類(Preliminary Proxy Materials)を提出しなければならない。こうした書類は4-6週間前には株主の手元に送付されるのが普通であり、開催日から逆算すれば6月初旬には最低でも公示されているものとなる。22日の段階で予備的通知書類はすでに提出されているものの、日程的にはほぼギリギリだ。こうした理由も含め、Icahn氏への対策を練る期間としてさらに1ヶ月ほど余裕をみたものとみられる。
Icahn氏は現在Yahoo!株の約4%を取得しており、一部の株主らの賛同を経て、7月の株主総会での委任状争奪戦でYahoo!役員の全員置き換えを計画している。Yahoo!は3月、Microsoftによる1株31ドルでの買収提案を受けて社内規定を変更、委任状争奪戦に必要な役員推薦名簿の提出期限の延期を発表した。今回の発表は、事実上2度目の株主総会の延期となる。
またYahoo!は同日、同社役員の1人であるEd(Edward) Kozel氏が辞任したことを発表した。同氏はもともと2月での退任を予定していたものの、Microsoftが同社買収に乗り出したことで在任期間を延長していた。Kozel氏は米Cisco Systems出身で、同社役員のほかベンチャーキャピタル等に在籍し、Yahoo!役員には2000年10月に就任した。7月末の開催となりそうな委任状争奪戦には、同氏を除く9人のディレクターで臨むことになる。