ルネサス テクノロジは22日、産業、民生機器や健康機器などのバッテリ駆動機器向けに、LCDドライバおよびフラッシュメモリを内蔵した、低消費電力16ビットマイコン「R8C/Lxシリーズ」を製品化した。第1弾として、最大128KBのフラッシュメモリを内蔵した8グループ、32品種を製品化し、2008年7月より順次サンプル出荷を開始する。
16ビットマイコン「R8C/Lxシリーズ」(左:100ピンパッケージ、右:80ピンパッケージ) |
各製品は、パッケージのピン数、データフラッシュの有無、対応LCDサイズの違いにより8つのグループに区分けされる。
LCDドライバには、定電圧生成回路を内蔵しており、LCD用外部電源が不要となるため部品コストが低減可能。また、従来はドットマトリクスLCDにのみ搭載していた指定画素点滅機能を内蔵しており、これまでプログラムで行っていた点滅制御を削除できるため、消費電力を低減することができる。
データフラッシュは、外付けのEEPROMなどに格納しているデータをマイコン内部に格納するための独自の内蔵フラッシュメモリ。同メモリには、バックグラウンドオペレーション機能を搭載しており、データフラッシュの書き込み/消去中でもCPUは命令を実行することができる。このため、処理効率が向上すると共に、ユーザーはデータフラッシュの書き込み/消去時間を意識せずにプログラムを作成できるため、プログラム開発が容易となる。
開発環境としては、1ピンでインタフェースが可能なオンチップデバッガ「E8aエミュレータ」を用意。1ピンだけで接続できるため、デバッグ時もすべてのI/Oピンを使用することができ、効率の良いプログラム開発が可能となる。さらに、ユーザープログラムを実行中にRAMの参照、変更が可能なデバッグ機能を追加しているため、効率の良いデバッグを行うことができる。
なお、同社では、今後の展開として、小型パッケージ、および少ピンパッケージへの対応やさらなる低消費電力化、メモリサイズの小容量化を施した製品などを計画、ラインナップの拡充を図っていくとしている。