「MicrosoftはYahoo!そのものの買収に興味はない、同社とはそれ以外の形での取引を模索していきたい」――米Microsoft CEOのSteve Ballmer氏の最新のコメントを英Reuters通信が21日(米国時間)付けの報道で伝えている。現在、Yahoo!のMicrosoftへの売却を目指し、Carl Icahn氏ら複数の投資家がYahoo!に対して役員の全員交替を迫る委任状争奪戦を仕掛けているが、Ballmer氏のコメントはこうした過度な動きを牽制し、第三者による介入を極力避ける狙いがあるとみられる。
Ballmer氏のコメントは、Microsoftがイスラエルのヘルツェリア(Herzliya)に新しくオープンした研究開発センターのローンチイベントでの席のこと。Reutersによれば、同氏は「Yahoo!とは価値創造を目指した話し合いを続けているが、同社全体の買収を試みることについては議題に上がっていない」と述べたという。Microsoftは5月3日にYahoo!に対する1株あたり31ドルでの買収提案を撤回しているが、Carl Icahn氏によるYahoo!の委任状争奪戦参入表明を受け、Yahoo!買収を含むあらゆる可能性について同社との交渉を再開したとの声明を発表した。後にReutersや米Wall Street Journalら報道機関は「MicrosoftがYahoo!の検索広告部門のみの買収を打診している」と報じたが、Ballmer氏の最新コメントもこのアイデアの延長線上にあるといえるだろう。