米Microsoftは5月21日 (現地時間)、商品検索サービス「Live Search Cashback」を発表した。検索を通じて商品を購入したユーザーに価格の数パーセントの現金リベートを提供するプログラムが組み込まれている。

同プログラムから現金リベートを得るには、まずLive Search Cashbackのサイトで商品を検索する。結果はオンラインストアごとにリストされ、ストア価格、キャッシュバック比率、キャッシュバック額、キャッシュバック差引額、消費税、送料、最終価格などを比較できる。例えば、Zuiko Digital ED 25mm付きのオリンパスのE-420を検索すると、あるオンラインショップでの価格は699.99ドル。同店では5%のキャッシュバック(35ドル)となっており、差し引き価格は664.99ドルになる。「Go to Store」をクリックすると、電子メールアドレスを入力してキャッシュバック・アカウントを設定するページが開く。その後、オンラインストアに移動して、購入プロセスを行う。購入を完了してから60日後にキャッシュバックがアカウントに加算され、電子メールで通知される。なおアカウントのキャッシュバックの合計額が5ドル以上に達しないと現金化はできないそうだ。

いくつかの商品検索を試したところ、キャッシュバック比率は2~10%が多い。中には25%を払い戻すオンラインストアもあるが、キャッシュバック比率が大きいケースはストア価格が高いことが多い。すでに米国のトップ40小売店のうち13店以上を含む700以上のマーチャントが参加しており、対象商品は1000万点を超えているそうだ。

広告主と消費者の双方にメリット

ワシントン州レドモンドで開催されていたMicrosoftのオンライン広告フォーラム「advance08」で、同社会長のBill Gates氏がLive Search Cashbackを説明した。同氏は、検索技術/サービス開発におけるMicrosoftのビジョンとして「関連性とセレクションに焦点を当てた精度の高い結果」「ユーザーの状況やデバイスへの最適化」「広告主と消費者の双方に利益をもたらす検索ビジネスモデル」の3点を挙げた。Live Search Cashbackは、これらを具体化した検索サービスと言える。

eBay、Barnes & Noble.com、Overstock.com、Sears、Zappos.comなどのLive Search CashbackパートナーとBill Gates氏。箱の上の$マークがCashback対象製品を示すアイコン

検索型広告で広告主がコンシューマにリーチする手段としては、検索者が広告をクリックするごとに広告手数料が発生するCost-per-Click(CPC)モデルが主流となっている。広告をクリックしたコンシューマが実際に製品を購入するなどした場合に手数料が発生するCost-per-Action (CPA)という方式もあるが、投資対効果を高められるものの制限が多いのが現状だ。Live Search CashbackはCPCやCPAに対する不満を軽減する広告ソリューションだという。Live Search Cashbackでコンシューマは現金リベートという割引を得られる。言い換えると現金リベートを意識した購入率の高いコンシューマがLive Search Cashbackには集まる。その点を踏まえて、オンラインストアはMicrosoftに対するCPA料金の支払いを選択できる。「Live Search CashbackでMicrosoftは、現金というコンシューマに対するインセンティブを通じて、マーチャントの広告投資の最大化と売上げ拡大を手助けする」(Microsoft)。

なおMicrosoftは「Live Search Farecast」というトラベル関連の検索サイトのベータ版も開始した。目的地と日付を入力して検索すると、航空券やホテルの料金を比較できる。購入タイミングの参考になる価格の上下動を示すアイコンが付されていたり、過去の価格の動きを調べられるなど、ユニークな機能を備えている。