インターネット検索の分野でGoogle追撃を続けるMicrosoftが、思わぬ奇策でユーザー獲得に乗り出そうとしている。米Microsoftが新サービス「Live Search Cashback」の準備を進めていると、海外の複数メディアが報じている。すでにサービス用サイトの準備が行われており、現在米ワシントン州レドモンドの同本社キャンパスで開催されている「advance08」において21日(現地時間)にも正式発表される可能性がある。新サービスでは、同Live Searchを通して商品検索や買い物を行った場合、その購入価格の何%かを購入ユーザーにキャッシュバック(返金)する。こうした仕組みを用意することで、より多くのユーザーに同社の検索サービスを利用してもらうことが狙いだ。

まだサービスが正式発表される前のために詳細は不明だが、すでにサイト上でFAQ等が公開されており、おおまかな概要がわかる。それによれば、Live Search Cashbackでは商品検索や取り扱いオンラインストア、それぞれの価格比較が可能になっている。ここで選択した商品をオンラインストア上で購入すると、後日電子メールでキャッシュバックに関する案内が配信されてくる。初回の購入時では住所の確認が行われ、その際にLive Search Cashbackのユーザー登録を行えばいい。キャッシュバック金額が5ドルを超えると、オンライン通貨から現金へと換金が可能となる。PayPalやGoogle Checkoutといった第三者の決済システムを利用してキャッシュバック機能が働くかどうかについてMicrosoftは「必ずしも保障できない」としている。

キャッシュバック比率については「2%-30%以上」(seattlepi.com)と報じられている例もあるように、商品によって大きな幅があるようだ。またサービスイン時の参加サイトとしては、ざっと眺めただけでもBarnes & Noble、Circuit City、Sears、Home Depot、Office Depotと大手が列挙されており、ラインナップとしても申し分ない。Live Search Cashbackの利用が広まれば、商品検索&購入ポータルとしての新しい機能がLive Searchに追加されるほか、利用者の広まりで広告プラットフォームとしての価値が高まり、現在GoogleやYahoo!といったライバルに大きく水を空けられているネット広告市場シェアで大きな躍進が期待できる。

広告業界をターゲットとしたイベントの「advance08」でMicrosoftは20日(現地時間)、同社の広告プラットフォームを「Microsoft Advertising」に統一することがアナウンスされている。ここでは特にモバイル機器を対象とした広告サービスに言及されており、同社の課題の1つが広告プラットフォーム基盤の強化にあることがわかる。21日には同社会長のBill Gates氏による基調講演が予定されており、ここでLive Search Cashbackを含めた同社の次世代プラットフォーム戦略が紹介されることになるだろう。