日本オラクル 製品統括本部 アプリケーションビジネス推進部 ディレクター 塚越秀吉氏

日本オラクルは20日、同社のSaaS型CRMアプリケーションの最新版「Oracle CRM on Demand Release 15」を提供開始した。ソーシャルネットワーク的なコラボレーション機能、Web2.0を活用したユーザインタフェース、多次元の分析を可能にするBI機能の追加/強化など、従来バージョンと比較すると、より「エンドユーザのためのCRM」を意識した製品と言えそうだ。

日本オラクル 製品統括本部 アプリケーションビジネス推進部 ディレクター 塚越秀吉氏は、「自社内の業務最適化を目指してきたERPだけでは、社外に多くのステークホルダーを抱える営業活動に対応できない。現在は社外まで含めた業務最適化が重要で、すでに米国ではCRMにソーシャルネットワーク的機能をもたせた"Social CRM"という用語も存在する」とし、今回リリースされたOracle CRM on Demand Release 15は、

  • 迅速な導入
  • ユーザごとに適応したアプリケーション
  • モバイル対応
  • 参加型ソリューション

を実現した、まさしく"ソーシャル"なCRMソリューションだと語る。

3つの新機能

Oracle CRM on Demand Release 15は、大きく3つの点で強化されている。

1. Web 2.0アプリケーション…迅速なアクセス

CRM on Demandの任意のコンポーネントを切り出して、デスクトップガジェットとして表示することが可能。iGoogleやMy Yahoo、MS Sharepointなど外部のポータルサイトに表示させることもできる。逆にインターネット上のコンテンツをCRM on Demandのコンポーネントとして表示することも可能。これにより、ビジネスアプリケーションを直接起動しなくとも、営業情報に迅速にアクセスすることが可能になる。

CRM on Demandインターネット上のコンテンツを表示させた例(赤枠内)

CRM on DemandのコンポーネントをiGoogleに表示させたところ

デスクトップガジェットとして任意のコンポーネントを表示させることも可能

また、現時点ではキャリアや対応機種などは明らかにされなかったが、モバイル機器に対応した"Business Mobile for Oracle CRM on Demand"も発表された。オンライン/オフラインのハイブリッドで情報が提供され、外出中でも必要な営業情報にアクセス可能になる。

2. コラボレーション機能…個人の生産性向上

ユーザ間のコミュニケーションをCRM上で実現。部門内での営業活動状況などを効率的に共有するための「ステッィキーノート」、社員どうしがリアルタイムにメッセージの交換を行う「メッセージセンター」などが追加。顧客に関する情報の共有などが迅速に行えるようになり、加えてすべてのコミュニケーションをログとして蓄積することができる。

3. 分析(ダッシュボード)機能強化…営業目標達成支援

事前に設定されたKPI(売上目標、顧客満足度など)に対する達成度をリアルタイムでモニタリングし、達成状況に応じて最適な推奨画面を表示する"ガイドナビゲーション機能"が追加された。

営業目標の達成状況に応じてリアルタイムに分析画面が表示される

Oracle CRM on Demandの価格は1ユーザあたり8,750円(税別)。対応ブラウザはInternet Exploler 6以上、Firefox 2.0以上。