ネットマーケティングを展開するアイシェアは21日、ネットいじめの温床と言われる「学校裏サイト」に関するアンケート調査結果を発表した。同調査によれば、学校裏サイトを「閲覧したことがある」と回答したのは全体の15%で、1割以上に閲覧経験があった。また、閲覧者のうち73%が「見てイライラした」と回答、嫌悪感を感じたことも明らかになった。
学校裏サイトは、学校の公式ホームページとは異なる、児童や生徒が管理する学校関連のブログや掲示板で、文部科学省が今年4月に発表した調査結果では、全国に約3万8,000件あったと報告された。また、同調査で抽出したサイトの半数に「キモイ」などの中傷が書き込まれていることも分かっており、ネットいじめの温床となっているとも言われている。
さらに、全国Webカウンセリング協議会理事長の安川雅史氏によれば、学校裏サイトで誹謗中傷を見つけた教師がサイト管理者に削除依頼をしたところ、生徒側の逆襲に遭い休職に追い込まれるなど、被害は生徒にととまらず深刻化している。
今回アイシェアが行った学校裏サイトに関する調査は、同社が提供するサービス会員のうち、18歳~25歳の246人を対象に、今月14日~16日にかけて実施。調査結果によると、全体の15%、男性は15.8%、女性は14.0%が「閲覧したことがある」と回答。
また、閲覧経験者のうち、全体の73.0%、男性は68.2%、女性は80.0%が、「学校裏サイトの書き込みを見てイライラした」と回答、閲覧者の多くが嫌悪感を感じたことも明らかとなった。
一方、政府や政党で有害サイト規制の議論が進む中、「学校裏サイトを有害サイトだと思うか」との質問には、閲覧経験者と未経験者を合わせた全体の62.6%が「有害サイトである」と回答した。
だが、同じ質問を閲覧経験者と閲覧未経験者に分けて行ったところ、閲覧未経験者の65.6%が「有害サイトである」と回答する一方、閲覧経験者の半数以上にあたる54.1%の人が「有害サイトではない」と回答しており、閲覧経験者と未経験者で、学校裏サイトに対する見方が大きく異なる結果となった。
アイシェアでは、「閲覧してみると、必ずしも有害ではない、と思う人も少なくないということかもしれない」としており、今後の有害サイト規制の議論にも、一石を投じる調査結果であるといえそうだ。