ルネサス テクノロジは20日、同社のCPUコア「RX」を採用した、ハイエンド機機向け32ビットマイコン「RX600シリーズ」ならびに、低消費電力機器向けに16ビットマイコン「RX200シリーズ」を開発、展開していくことを発表した。第1弾の製品としてRX600シリーズを2009年第2四半期にサンプル出荷する計画。

RXは200MHzでの動作が可能なCPUコアであり、5段パイプライン、およびプログラム読み出しとデータ書き込みを並列に実行できるハーバードアーキテクチャを採用している。これにより1.25MIPS/MHz(Dhrystone 2.1)以上の処理性能を実現しているほか、命令セットを最適化することで、同社既存品比で30%以上のコード効率向上が図られている。

また、RX600シリーズには、独自のMONOS(Metal Oxide Nitride Oxide Silicon)型フラッシュメモリを搭載するほか、全製品にデータ格納用のフラッシュメモリが搭載される。MONOS型フラッシュメモリは、100MHzでの1サイクル読み出しが可能であり、プログラムの高速読み出しと大容量化を両立している。一方、データ格納用のフラッシュメモリは、最大10万回の書き換えを保証しているほか、プログラム実行中に並列書き換え可能なBGO(Back Ground Operation)機能を備えている。

さらに、RX600シリーズは、タイマ、シリアルインタフェース、A/Dコンバータ、D/Aコンバータなど既存製品で実績のある周辺機能を搭載、既存ソフトウェア資産を流用することにより、開発工数を削減することが可能である。

このほか、同社がSoC開発で活用してきた統合マザープラットフォーム「EXREAL Platform」のコンセプトをマイコンに適用した「MCU開発プラットフォーム」を構築。これにより同社では、RXファミリ製品の開発の短期化ならびに製品展開の容易化を実現できるとしている。