米国で人気のSNS『Facebook』を運営するFacebook.Incは19日、創設者でCEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏が来日し、本日よりFacebookの日本語版を提供すると発表した。2004年2月にスタートした同サービスは、現在7,000万人以上のアクティブユーザーを抱え、米SNS 第1位の「MySpace」に迫る勢い。「mixi」が圧倒的な存在感を見せる国内SNS市場で日本人ユーザーを獲得することはできるだろうか。

Facebook.Inc CEO Mark Zuckerberg氏。まだ24歳という

「Facebook」のトップページ。さまざまな文言が日本語化されている

Facebookは2004年2月、当時米ハーバード大学の学生だったMark Zuckerberg氏が、「周囲の人との情報共有を目的に作った」(同氏)という学生向けSNS。2006年の学生以外への開放以降、参加者は急増。現在は英語版のほか、スペイン/ドイツ/オランダ/フランス/イタリア/ポーランド/ノルウェーの各国語版を提供し、全世界で7,000万人以上のアクティブユーザーを抱える巨大SNSへと成長を遂げている。同SNSは写真や動画のシェア機能、2万件以上のFacebook用アプリケーションが登録され、自由に利用できる点が特徴。同社はアプリケーション(ウィジェット)開発プラットフォーム「Facebook Platform」をリリースしており、開発者が自由にFacebookのユーザーネットワークを利用したアプリを開発できるようになっている。今回UIの多くを日本語化したことで、Facebookが持つ世界規模のユーザーネットワークや各種アプリケーションを日本人でも手軽に利用しやすくなった。

Mark氏は記者会見上、Facebookのプライバシー保護への取り組みを強調した。Facebookはユーザー間の交流を促進するためにも実名登録を前提としているが、日本国内ではSNSの実名登録が原因で個人情報がネット上に広く公開される問題なども起こっている。Mark氏は、Facebookでは情報の公開対象をユーザー自身がコントロールできるなどプライバシー設定の詳細とその安全性について説明。これから利用を始める日本人にも実名での利用を呼びかけた。同社は先日、Googleが発表した「Friends Connect」のFacebookへの接続を遮断する措置をとった。「Friends Connectが、Facebookのユーザー情報を本人の知らないところでとってしまう」(同氏)可能性があることが遮断の理由という。これは、Facebookのプライバシー保護方針に抵触するものというわけだ。

Facebookは情報共有機能や豊富なアプリケーションを持つなど、魅力的なSNSであることは確か。一方、同社のプライバシー保護への取り組みは、日本のユーザーに信頼性をアピールできるだろうか。今回はまず、日本語ローカライズによって国内ユーザーへのFacebook浸透を目指す。同社のビジネスモデルである広告への取り組みはその次とのことだ。