Fedoraプロジェクトは13日 (米国時間)、LinuxディストリビューションFedoraの最新版「Fedora 9」を正式にリリースした。対応プラットフォームはIntel x86とx86_64、およびPowerPC。標準的なインストールディスクのほか、KDEやGnomeを収録したライブCD、独自のインストールイメージを作成するツール「Jigdo」用設定ファイルが配布される。
約半年ぶりのメジャーアップデートとなる今回のリリースでは、バージョン2.6.25ベースのLinuxカーネルを採用。デフォルトのデスクトップ環境にはGnome 2.22を採用、小型カメラを利用した静止画 / 動画撮影アプリケーション「Cheese」や、GTK+向けのネットワーク透過な仮想ファイルシステム「GVFS」など、最新のコンポーネントが収録されている。選択可能なデスクトップ環境として、KDE 4.0.3とXfce 4.4.2も提供される。
インストーラの「Anaconda」も大幅に改良。インストール時におけるext2 / 3およびNTFSパーティションの動的なリサイズ、暗号化ファイルシステムの作成といった新機能のほか、システムトラブル発生時に使用するレスキューモードの改良が行われている。従来のPirutに代わるパッケージ管理ツールとして「PackageKit」を採用、yumの性能が向上している。
オプションとして、Linuxカーネル2.6.19でサポートされたext3後継のファイルシステム「ext4」も提供される。ext4の使用により、ファイルシステムの最大容量を1EB (100万TB)、最大ファイルサイズを16TBに拡張することが可能。
Java実行環境については、OpenJDK 1.7ベースのIcedTea 7に代わり、完全にフリーな「OpenJDK 6」が収録された。伝統的な/sbin/initに代わるスーパーデーモンとして、Ubuntuで開発された「Upstart」を採用するなど、システムの基盤部分についても見直しが行われている。