米Googleは5月12日 (現地時間)、Webサイトにソーシャル機能を追加する「Google Friend Connect (ベータ)」を発表した。同日夜にGoogleplexで行われるCampfire Oneにおいてプレビュー版がリリースされる予定だ。
データポータビリティの実現に向けて、米国時間の5月8日にMySpaceが「Data Availability」を発表、続いてFacebookが「Connect」を明らかにした。どちらも、それぞれのユーザーのソーシャル機能を外部のサイトでも利用可能にする。米SNSの2大勢力である両社がデータポータビリティの中心を狙った試みと言える。これらに対してソーシャルネットワーク・ハブでは支配的な存在ではないGoogleのFriend Connectは、中心をとりまくWeb全体に作用する機能となる。現在ソーシャル機能を持たないWebサイトは99%を超えると言われているが、それらのWebサイトオーナーが、それぞれのサイトにスニペットを加えるだけで、ソーシャル機能を追加できる。ユーザー登録、招待、メンバーギャラリー、メッセージポスティング、レビューなどの機能群のほか、OpenSocial準拠のサードパーティ・アプリケーションを選択するのみ。プログラミングの知識は必要ないという。ソーシャル機能対応に興味を持つWebサイトオーナーにとって、導入のハードルが低いのが大きな特徴となっている。
Friend Connectを導入したWebサイトでは、訪問者がFacebook、Google Talk、hi5、orkut、Plaxoなどを含むソーシャルサイトの友人関係を反映したアクティビティを行える。例えば、ミュージシャンのイングリッド・マイケルソンの公式Webサイトでは、iLikeの音楽機能が追加され、米国時間の12日夜から公式サイトを訪れたファンが、その場でソーシャルネットワーク上の友人のコメントをチェックしたり、プロフィールのお気に入りに音楽を追加するなどiLikeアプリケーションの各種機能を利用できる。
「多くのサイトはソーシャルであることに強い関心を持っていないし、ソーシャルネットワークでありたいと思う必要もないが、それでも訪問者同士がインタラクトできる環境を用意するメリットがある」とGoogleのエンジニアリング担当ディレクタであるDavid Glazer氏。「これまで、その実現は困難だったが、OpenID、OAuth、OpenSocialなどのソーシャル標準と、Facebook、Google、MySpaceなどのデータアクセスAPIの公開によって状況が変わり始めた。Google Friend Connectは、これらの標準の上に構築され、Web全体でユーザーを友人と手軽に結びつけて、"すべてアプリ、すべてのサイト、すべてのフレンズ"を現実にする」と述べる。Webサイトオーナーにとっては、Webサイトに興味を持った訪問者がソーシャルネットワークを通じて友人に勧めることで、同様のタイプの訪問者のトラフィックを効率的に増やせるメリットがあるとしている。