米下院議員のMark Kirk氏は、学校や図書館などで「Second Life」へのアクセスを制限するように求める新規制法案を提唱した。多くの教師や保護者、警察官などの支持も得つつ、速やかな規制導入を求める公式書簡が、米連邦取引委員会(FTC)に対して送付されている。
すでに同氏は、2006年に「Deleting Online Predators Act」法案を米下院へと提出。学校や図書館などで、教師や保護者の監督なしに、未成年者が「MySpace」をはじめとするSNSやチャットルームへアクセスすることを規制する方針を盛り込んだ。これまでに共和党、民主党を問わず、幅広い議員層からの支持を得ているという。
今回提唱された規制法案では、主にSecond Lifeへの公共の場所でのアクセス制限を目指しているようだ。FTC会長のWilliam E. Kovacic氏宛ての書簡では次のように問題を提起している。「公式にはSecond Lifeは、13歳未満の子どもたちが同サービスを利用することはできないとしているものの、登録プロセスに年齢をチェックする機能は設けられていない。クレジットカードが必要となる提供機能は多いものの、性的に露骨なコンテンツへ無料でアクセスし、不自由なく楽しめるコーナーも少なくない」。
また、同書簡では「単に未成年者が性的に不適切なコンテンツにアクセスできるだけではない。子どもたちを付け狙う小児性愛者がネットの匿名性を悪用し、餌食を見出す格好のバーチャル空間としてSecond Lifeを利用している」と警告。インターネットと関連性が高いとされる性的虐待事件や誘拐犯罪などが、最近では数多く報告されるようになってきていることから、今後はSecond Life上で、こうした事態に発展しかねない問題を未然に防ぐよう、一層の注意を払う必要性が生じるとしている。
同氏は「Second Lifeの運営側が青少年の保護に積極的ではないのならば、行政機関が保護者に危険性を警告し、子どもたちのネット利用を十分に監督するように促していく責任がある」と記して書簡を結んでおり、FTCとしても何らかの対策を速やかに講じていくように求めている。