Microsoftは29日 (米国時間)、企業向けITシステム運用管理ツール「System Center」をクロスプラットフォーム対応にすると発表した。2008年夏にリリース予定の「The System Center Virtual Machine Manager 2008」では、あらたに仮想サーバ「VMware ESX Server」をサポートする。System Center Operations Manager 2007向けには、UNIX / Linuxシステムの管理を可能にするエクステンションが提供された。
Virtual Machine Managerは、仮想マシン (VM) で使用するOSやアプリケーションがインストールされたディスクイメージの配布や、VMの動作を管理するためのツール。現行バージョンのVirtual Machine Manager 2007では、同社製のVirtual Server 2005しかサポートしていなかったが、2007年の時点でXenのサポートを表明、今回競合関係にあるESX Serverも追加することにより、Windows Server 2008標準の仮想化技術「Hyper-V」のクロスプラットフォーム対応を進めたもの。
Virtual Machine Manager 2008では、Hyper-VにくわえXenとESX Serverを管理可能になるほか、システム管理にPowerShellのスクリプトを使うなど、Windowsのシステムとの高い親和性が実現される。Hyper-Vへの移行を支援するツール「Quick Migration」も同梱される。
仮想サーバに発生したイベントなどを管理するツール「System Center Operations Manager 2007」には、UNIX / Linuxの管理機能を追加するエクステンション (β版) の提供を開始した。この結果、従来のWindowsにくわえ、SUSE LinuxやRed Hat Enterprise Linux、SolarisやHP-UXの管理が可能になる。Windows以外のOSを管理対象とする場合、Operations Managerに対応したプラグインが必要になるが、使用されるプロトコルはWS-ManagementやSSHのようにオープンな技術とのこと。