総務省は25日、「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」の第6回会合を開き、「携帯電話フィルタリングサービスの実効性ある普及を目指して」と題した中間とりまとめを行った。携帯キャリアに対し、フィルタリングでのブラックリスト方式適用を求めると共に、第三者機関による有害サイト審査への「国の不介入」を明示する内容となった。
総務省は昨年12月、携帯電話の各事業者に対し、未成年者による携帯利用に際してフィルタリングサービスへの原則加入を要請したが、携帯キャリアによっては、事業者が認めたサイトでないと閲覧できない方式を採用しているため、健全なコミュニティサイトなどまで閲覧できなくなるなどの弊害があった。そのため同検討会では、事業者に対しフィルタリングサービスなどの違法・有害情報対策について改善策を提言するため、議論を重ねてきた。
第6回会合で了承された中間とりまとめでは、現在のフィルタリングサービスの課題として、(1)異なる世代に一律のフィルタリングをかけるような画一性、(2)健全なコミュニティサイトもフィルタリングの対象となってしまう広範性、(3)これらが要因となった利便性の阻害、の3つの課題があると指摘。
こうした課題を解決するために、フィルタリングサービスの方式について、違法・有害リストに上がったサイトだけをフィルタリングする「ブラックリスト方式」の原則適用を求めると同時に、利用者側で閲覧したいと考えるサイトのアクセス制限を解除することができるシステムの構築を提言している。
さらに、アクセス制限を解除するのにふさわしい健全なサイトを審査・認定するための第三者機関の必要性を訴えるとともに、第三者機関による有害サイト審査に国は原則介入するべきではないとの考えを明示した。
同会合に出席した増田寛也総務大臣は、中間とりまとめに関し、「違法・有害サイト対策は緊急を要しているが、有害サイトの判定は非常に難しい。今回の取りまとめの結果を踏まえ、携帯事業者らに迅速な対応をとってもらうよう要請する」と発言。
同会合終了後、増田大臣は大臣室において、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル、ウィルコム、電気通信事業者協会に対し、携帯電話・PHSにおけるフィルタリングサービスの改善に関し、上記内容を踏まえた対応をするよう要請した。
総務省では、第三者機関によるサイト認定を前提としたフィルタリングサービス実施について、「既存契約者に対する周知期間を経た後、早ければ6月にも始めることができるのではないか」と話している。