4月1日付けでマイクロソフトの代表執行役社長に就任した樋口泰行氏の社長就任を祝う「社長就任披露パーティー」が23日、都内ホテルで開催された。森喜朗元総理をはじめ、700人を超える政財界関係者およびIT業界関係者などが集い、樋口氏の社長就任を祝った。
米マイクロソフトのスティーブ・バルマーCEOのビデオスピーチで始まった同パーティーは、最初にこの日の主役である樋口泰行氏が登壇。「今日の披露パーティーは、営業の観点から意味があれば開きたいということ社員に伝えて開催したもの。その点をお含みいただきたい」と、ジョークを交えたスピーチで会場を涌かせたあと、「社長就任が3回目ともなると、いろいろと考えることがある。人間には、将来の幸せに向かって努力するものと、目の前の幸せに向かって努力するものがいるが、私はこれまで前者で来た。だが、社長というゴールに到達しても、幸せに感じるのは1週間程度。こんなものだったのか、と思う。目標達成に向かうプロセスを楽しむことに力を注ぎたい」と挨拶し、社長としての役割を通じて、現在の仕事に楽しみながら取り組んでいくとの姿勢を示した。
その後樋口社長は、マイクロソフトの役員を紹介。「顔が見えるマイクロソフトを目指したい」と語った。
来賓として挨拶する森喜朗元総理 |
樋口社長に続いて登壇したのが森喜朗元総理。「今日は政治家というよりも、マイクロソフトがスポンサードしていただいている日本ラグビー協会の代表で来た。ぜひ継続的なスポンサードをお願いしたい」と、樋口社長に対抗するように営業マインドたっぷりで挨拶。樋口社長は苦笑いをせざるをえない状況となった。さらに、森氏は樋口氏のスピーチを引用しながら、「総理大臣も、なってみたら決して幸せではなかった」などとし、会場を笑いの渦に包んだ。
沖電気工業の篠塚勝正社長兼CEO |
また来賓の挨拶では、沖電気工業の篠塚勝正社長兼CEOが、「日本と米国の架け橋となるべく役割を樋口社長には担っていただきたい」と述べ、樋口氏がダイエー社長時代に産業再生機構社長として、ともにダイエー再建に取り組んだ東京証券取引所の斎藤惇社長は、「マイクロソフトの社長となり、水を得た魚のような顔をしている。だが、ダイエーの経験は直接お客様に接する仕事であり、仕事のベースはすべてお客様にあるということを体で覚えたはず。すばらしい財産を得た」とした。
乾杯の挨拶には、富士通の黒川博昭社長が指名され、「マイクロソフトや、業界の方々とともに、世界トップレベルのIT産業を目指そう」と呼びかけた。
乾杯の挨拶をする富士通の黒川博昭社長 |
東京証券取引所 代表執行役社長 斉藤惇氏 |
約1時間30分に渡るパーティーでは、インテルなどのほか、富士通、NEC、ソニー、日本ヒューレット・パッカードなどのメーカー各社、OBCやPCAなどの独立系ソフトメーカー、キヤノンMJやヤマダ電機、ヨドバシカメラ、ビックカメラ、ツクモなどの流通各社の幹部が出席し、樋口社長の前には、中締めが終わっても長蛇の列ができていた。