Bivio Networksは、同社のネットワークアプライアンスプラットフォーム「Bivio 7000 シリーズ」の日本での販売を開始した。
ビヴィオネットワークス 代表取締役の兵頭弘一氏 |
ネットワークアプライアンスの多くは、機器ベンダが専用のハードウェアを用意して、そこに専用のソフトウェアを搭載して提供するという形式がとられていた。しかし現在では、ネットワークの高速化やトラフィックのモニタリングなどの要求から、「ネットワークのコンポーネントに対して、サーバのように欲しい機能を組み合わせたハードウェアが求められるようになり始めた」(ビヴィオネットワークス 代表取締役の兵頭弘一氏)という。
もちろんサーバを活用することで、こうした要求には応えられるが、「サーバはネットワークのトラフィックを高速に処理するようには作られていないため、パフォーマンスに自ずと限界が生じてしまう」(同)こととなっていた。
同プラットフォームは、サーバアプライアンスの柔軟性とネットワークアプライアンスの高速性を両立するために考案されたもので、独自のパケット処理ハードウェアアーキテクチャとLinuxベースの実行環境に、自分達の使用したいネットワーク関連のアプリケーションを組み合わせることで、従来のネットワークアプライアンスの高速性とサーバの柔軟性を兼ね備えたものとなっている。
「ネットワーク機器はベンダがハードウェアもソフトウェアも含めた完成品として提供するものとの考えがあるが、固定されたハードウェアに、自由にアプリケーションを搭載することにより、個別の要望に対応できるネットワーク機器の提供が可能になる」(同)という。
例えば、従来のネットワークアプライアンスでは、機能が固定されてしまっている関係上、新たなアプリケーションが登場しても対応が難かったが、同プラットフォームでは、新しいアプリケーションが登場しても、新しいネットワークアプリケーションを用意することで対応することが可能となる。
兵頭氏は「DPI(Deep Packet Inspection)のニーズの高まりにより、アプリケーションを意識した制御が求められるようになってきている。ネットワークアプライアンスプラットフォームを用いることにより、パケットの中身まで高速に検査することが可能となり、それに応じたさまざまな対応を行うことが可能となる」と同プラットフォームのメリットを語る。
Bivio 7000 シリーズは現在、処理能力が3Gbpsの「Bivio 7120」、同5Gbpsの「Bivio 7130」、同5Gbps(scalable)の「Bivio 7500」、同10+Gbps(scalable)の「Bivio 7550」の4製品がラインナップされており、いずれもワイヤスピードでの転送を実現している。OSとしては、標準Linuxベースの「BiviOS」を提供することで、Linuxの実行環境での操作を可能にしている。
アプリケーションに関しては最大6個のデュアルコアCPUに処理を分散させることで負荷の軽減を実現している。また、スタッカブルに対応しており、増設により処理能力を向上させることが可能である。
「昨今のデータセンターは、電源容量の問題が発生しているため、多くのサーバを設置することが難しくなっている。複数台のサーバの性能を2Uサイズの同プラットフォーム1台で実現することは、電源問題にも対応できる」(同)と処理性能の向上のみならず、電力問題にも効果があるとする。
同プラットフォームに搭載されるネットワークアプリケーションに関しては、「(アプリケーションの流行を見た場合)日本のニーズに応える、日本の地域にマッチしたものを用意する必要がある」(同)としており、日本市場で成長していくためには、日本のソフトウェアベンダと親しくしていく必要があるとした。現在、セキュリティ系とトラフィックモニタリング系のネットワークアプリケーションのサーバ向けからの移植を進めているとしており、早ければ夏頃に製品として提供が可能になるという。
また、兵頭氏は「DPIならBivioと言ってもらえる取り組みを進めることで新たな領域を築き上げていく」と意気込みを語っており、Bivio製品を活用するためのトレーニングなどを今後は行っていくことで、より多くの人にネットワークアプライアンスプラットフォームを浸透させていきたいとしている。