東京造形大学とBIGLOBEは24日、Webを活用して新たなビジュアルアートの才能を発掘・支援する共同プロジェクトを開始したことを発表した。両者は、BIGLOBE上に開設するWebショウケース「クリエイターズアリーナ」を中核に、学生を中心とした若手クリエイターの発掘・育成に取り組む。
同プロジェクトは3つの項目により推進される。1つはWebショウケース「クリエイターズアリーナ」の開設。ここでは同大学の卒業展作品などのほか、海外の芸術大学・アート系専門学校生の作品およびプロの作品集などを掲載し、開かれたギャラリーとして展開していく。
2つめはクリエイターズアリーナ上で実施されるコンペティション。第1回として今年9月に同大学生を対象に実施される「ZOKEIアリーナ」では、BIGLOBEパブリッシングのオリジナル電子書籍作品を題材としたビジュアル化作品が募集される。エントリー作品の展示や優秀作品の選考過程もコンテンツとして公開される。また、優秀作品については各ジャンルの専門家のアドバイスなどによってブラッシュアップを図り、有償コンテンツ化、プロ化への支援を行うとしている。
3つめは、若手クリエイターの制作意欲と、社会参加への意識を刺激するシンポジウムの実施。これは5月より東京造形大学内で「芸術と商業」をテーマとした特別授業「ZOKEI講座」(全4回)として開催される。第1回のコンペに向け、作品制作に関するイメージ作りを支援するとともに、現代のクリエイターのあり方について学生に問題を提起していく。
東京造形大学では、同プロジェクトを通じて、学生がクリエイターとして生きるための出会いを支援すると同時に、ビジュアルアートの新しい可能性を探り、これにより芸術系大学の新しい価値提案を行う狙いがある。特にシンポジウムにおいては、Webが浸透した時代における"プロフェッショナル"の存在についてや、さまざまな問題もはらむWeb空間における表現の未来についてなど、芸術系大学の講義では議論しにくい内容に積極的に取り組む。
BIGLOBEは、Web上での新しいコンテンツ表現の場を設けることで、若い世代のビジュアルクリエイター育成や、新しいエンタテインメント市場の創造を目指す。また、コンテンツ力がWebビジネスの重要な要素となる中、同社ではこのプロジェクトを通じてコンテンツ制作の新たな枠組み作りにも積極的に取り組んで行くとしている。