米IntelがWebマッシュアップツール「Mash Maker」のベータ版の提供を開始した。Webページとウイジェットを組み合わせて、手軽にデータの視覚化やWebコンテンツのカスタマイズなどを行える。またMash Maker Widget APIを通じて、Mash Maker対応ウイジェットを作成し、公開することも可能だ。
通常マッシュアップは、開発者によるWebサイトやWebサービスのマッシュアップをサービスとしてエンドユーザーが利用している。Mash Makerではエンドユーザーが自ら、閲覧中のWebページと各種ウイジェットを組み合わせてマッシュアップを行える。
Mash Maker自体はWebブラウザのプラグインとして提供されている。対応ブラウザはInternet Explorer 7以上、またはFirefox。Mash Makerのサイトでユーザー登録をして、プラグインをダウンロードする。登録したメールアドレスにIDとパスワードが通知されるので、プラグインを導入したWebブラウザで自分のアカウントにログインする。Mash Makerでは閲覧中のWebサイトのドメインがセントラルサーバに送信されるため、利用にはログインが必要になる。
例えば、アパート情報サイトで賃貸物件を探す時、地図へのリンクが付けられていても、物件ごとに新しいページを開くことになるので場所の確認も少々面倒な作業になる。Mash Makerでは、CraigsListのアパート情報ページにアクセスすると、対応するウイジェットがサイドバーに表示される。その中からマップ・ウイジェットを選択してダブルクリックすると、Webページの上部にウイジェットが縦に並ぶ形で配置される。またWebページ内の住所データが含まれる項目にウイジェットとのリンクを示すアイコンが付く。そのアイコンをクリックすると住所がマップに表示される。非常にシンプルだ。
通常のCraigsListのアパート情報ページ。左はMash Makerのサイドバー。開いているページに対応するウイジェットが一覧されている |
マップウイジェットを追加すると、住所データが含まれる項目にアイコンが付き、それをクリックするとマップに表示される |
他にも旅行サイトのExpediaで、飛行機のスケジュール/ 価格を調べた際にLegroomというウイジェットを使ったら、各スケジュールと共に使用される航空機の座席の間隔がExpedia内に表示された。
自らウイジェットを作成しない限り用意されたウイジェットの範囲内でのマッシュアップとなるが、既存のウイジェットだけでも柔軟なWebサイト情報のカスタマイズ (マッシュアップ)が可能である。一般ユーザーのWebブラウジング支援だけではなく、ビジネスユーザーが自社サイトの顧客データをマップやカレンダーに表示するなど様々な用途が考えられる。
Intelはまた、Mash Makerのウイジェット開発用にMash Maker Widget APIを用意している。データの視覚化、データの追加、他のウイジェットとのコミュニケーション、他のソースからのデータのインポートなどが可能。ルールに則って作成したウイジェットは登録後、パブリッシュできる。