米AT&Tと米Cisco Systemsは21日(米国時間)、CiscoのハイエンドTV会議システム「Cisco Telepresence System」の提供で提携したことを発表した。Telepresenceとネットワークインフラ技術とセットにしたソリューション「AT&T Telepresence Solution」として提供する。

Cisco Telepresence Systemは同社が2006年10月に発表したTV会議システム。H.264による高品質な映像転送、1080pの薄型ディスプレイ、広帯域3次元オーディオ技術、遅延の抑制などにより、現実に近い環境を実現する点を最大の特徴としている。

AT&TはTelepresenseシステムをソリューションとして提供するにあたり、自社IP VPNサービスで「Cisco Powered TelePresence Connection Certification」認定を取得した。Telepresenceの利用にあたって、ネットワークがサービス品質、性能、信頼性に関する要件を達成できるかなどのチェックをクリアしたという。Telepresenceでは、AT&Tが初のパートナーとなる。

AT&T Telepresence Solutionの特徴は、社内会議機能と独自の業界別アプリケーション。アプリケーションとしては、ヘルスケア、ハイテク、小売、政府などの業界に向け、業界固有のアプリケーションを提供する。小売業の場合、設計者、卸売、製造元などがリアルタイムで製品開発過程でコラボレーションできるアプリケーションを提供、これを利用して迅速にタイム・ツー・マーケットを実現しつつサプライチェーンを効率化できるという。このような業界固有のアプリケーションにより、ビジネスチャンスを拡大し、コストを削減できるとしている。

TelepresenceはAT&Tが所有する機材をリースとして提供、1画面と3画面の2種類から選択できる。このほか、設定サービス、アプリケーションのモニタリングと管理、ネットワークプロビジョニング、遠隔ヘルプデスクサービス、出張での機器保守・修理サービスなどが入る。

同ソリューションの提供は、2008年後半より開始する。当初23カ国で提供、2009年より提供地域を拡大する。当初、米国ベースの多国籍企業をターゲットにするという。