GMOシステムコンサルティングは21日、デジタルコンテンツ配信の課金・決済プラットフォームを提供する同社のASP事業を独立させた新会社「GMOデジタルコンテンツ流通」を設立したと発表した。同時に、携帯向けUIの開発を行っているアクロディアと新会社が資本・業務提携を行うことも発表、携帯向け事業にも進出することも明らかにした。

GMOインターネット会長兼社長の熊谷正寿氏

GMOシステムコンサルティングは2000年4月にグランスフィアとして設立され、システム開発の受託を中心に行ってきたが、2004年にGMOインターネットグループ入り。同年から、デジタルコンテンツ配信のための課金・決済などのプラットフォームを提供するASPサービス「デジタルコンテンツ王」を展開してきた。今年4月には、社名をGMOシステムコンサルティングに変更した。

21日に行われた記者会見では、GMOインターネット会長兼社長の熊谷正寿氏が今回の新会社設立について、「動画コンテンツなどデジタルコンテンツの配信は、一部の大企業を除いて課金・決済を行えるビジネスモデルを確立しにくく、中小企業や個人事業主が事業参入しにくい側面があった。新会社設立により、大企業だけでなく中小企業も参入できるようなプラットフォームをより積極的に市場に提供していきたい」とあいさつした。

デジタルコンテンツ配信の課金・決済プラットフォームを提供する「デジタルコンテンツ王」のサービス特徴

その後、新会社の社長となった服部直人氏が、今後の事業展開について説明。同社がGMOシステムコンサルティングから引き継ぐことになるASP事業「デジタルコンテンツ王」について、(1)簡単にコンテンツを登録でき、DRMによる暗号化で著作権を保護できる、(2)課金・決済サービスを標準装備、(3)サービスインまで最短で2週間、(4)さまざまなファイル形式に対応、(5)基本となるベースプランの初期費用が15万円、月額4万円(決済手数料は別、いずれも税別)となるなど低価格、などの特徴があると述べた。

GMOデジタルコンテンツ流通の社長となった服部直人氏

その上で、今後の展開について、「デジタルコンテンツの市場は2007年に3兆円規模になったと推定されており、インターネットや携帯経由のコンテンツ配信が今後も伸び続ける。それに伴い、流通システムへの要望も多様化する」と指摘。「携帯UIの開発に強みを持つアクロディアとの提携により、当社のASPサービスがPCだけでなくモバイルにも対応することが可能になる」と、新会社設立とアクロディアとの意義を強調した。

さらに、「モバイルに対応できるようになることで、現在は課金・決済のプラットフォームを持っていない勝手サイトのコンテンツプロバイダーに対してもサービス提供できるようになる。また、自前の課金・決済プラットフォームを持っている大手事業者にも、ゆくゆくは当社のサービスを採用してもらえるように頑張りたい」と今後の展望について述べた。

新会社とアクロディアとの提携により、モバイル対応のサービスが可能となる