NECエレクトロニクスは21日、日本、北米および欧州におけるフルハイビジョン放送へ対応するデジタルテレビ用システムLSI「EMMA2 TM/H」を製品化、サンプル出荷を開始したことを発表した。サンプル価格は7,000円。量産は2008年夏を予定しており、月産20万個が計画されている。
同製品は、MPEG-2信号の伸張(デコード)機能、画像表示機能などデジタルテレビに必要な機能を1チップ上に集積した画像処理用システムLSIで、明るさ・コントラスト・色合いなどの調整を行う「ピクチャ・クオリティ・コントローラ」の1画素あたりの処理ビット数を従来と比べ2ビット拡張し、最大14ビット処理に向上させたことにより、従来品比4倍の階調表現が可能となっている。
また、従来のEMMA製品とハードウェアアーキテクチャの互換性を維持しているため、MPEGデコード用ソフトウェアなどの既存ソフトウェアを流用することができ、ソフトウェア開発の負荷軽減が可能だ。
さらに、電波産業会(ARIB)で定められている日本のARIB方式、北米のATSC、欧州のDVBなどのハイビジョン放送規格に準拠。これにより、仕向け地別に異なる画像処理用システムLSIを必要とせずに、フルハイビジョン向けデジタルテレビの開発が可能となる。
加えて、外部メモリと接続するメモリバス幅を従来の32ビットから48ビットへ拡張したことにより、従来品と比べ、1秒間に処理できるデータ容量が最大2.6GBから3.9GBへ向上しているほか、LVDS回路を従来のシングルリンクからデュアルリンクへ拡張したことにより、パネル解像度を1920×1080ドットまで拡張している。