大手LinuxベンダーのRed Hatが、一般個人ユーザを対象としたLinuxディストリビューションを開発しない方針を発表した。同社デスクトップ開発チームが、公式ブログ「Red Hat News」で米国時間の16日に明らかにしたもの。
開発を行わない理由として同チームは、デスクトップ向けOS市場の1社による寡占状態を指摘したうえで、サーバ市場と比較して利益をあげることが難しいと説明。予測しうる将来において、伝統的なデスクトップ製品を開発する計画がないことを明確にした。
一方では、一般個人ユーザ向け以外のデスクトップLinuxの開発を続行する方針を強調した。2008年および2009年のデスクトップ向け製品としては、Red Hat Enterprise Linuxサーバと完全互換かつ管理の容易なデスクトップ環境を備える「Red Hat Enterprise Linux Desktop」、オープンな開発コミュニティ主導の「Fedora」の支援、新興国市場向けの「Red Hat Global Desktop (RHGD)」を計画しているとのこと。
Red Hatは、1994年に最初のLinuxディストリビューション「Red Hat Linux 1.0」をリリース。当初は個人のパワーユーザを対象に、パーソナルワークステーション的な性格のシステムを提供していたが、次第に対象を企業ユーザへシフト。2003年3月公開の「Red Hat Linux 9」を最後に、一般個人向けLinuxディストリビューション開発からは撤退、その後はFedora Projectを支援し、成果をRed Hat Enterprise Linuxに取り入れるというスタイルに転換している。