Googleは4月17日 (現地時間)、2008年第1四半期 (2008年1月~3月)決算を発表した。米国経済の低迷に伴うオンライン広告の不振が指摘されていたが、そのような懸念を払拭するのに十分な増収増益を果たした。

第4四半期の売上高は51億9,000万ドルで、前年同期比42%増、前期比7%増だった。このうち米国以外の地域からの売上高が全体の51%に相当する26億5,000万ドルと過半数に達した。前年同期は47%、前期は48%だった。ただし、これは2008年1~3月期におけるドル安が要因であり、前期の平均レートで算出すると売上高が1,800万ドル低い数字になるという。

会計原則 (GAAP) ベースの純利益は13億1,000万ドルで、希薄化後1株あたりの利益は4.12ドル。前期は12億1,000万ドルで、希薄化後1株あたり3.79ドルの利益だった。営業利益は売上高の30%に相当する15億5,000万ドル。前期も30%相当の14億4,000万ドルだった。

売上高の内訳は、Googleのサイトからの売上高が全体の66%となる34億ドル (前年同期比49%増、前期比9%増)。Googleネットワークと呼ばれるAdSenseプログラムを通じたパートナーサイトからの売上高は、全体の33%の16億9,000万ドル (前年同期比25%増、前期比3%増)だった。

注目されたペイドクリック数は前年同期比20%増、前期比4%増。TAC (Traffic Acquisition Cost:トラフィック獲得費用) は14億9,000万ドルで、広告収入全体に対する比率は29%。AdSenseパートナーへの支払いは13億4,000万ドルで、これはTACの90%に相当する。

comScoreが最新レポートでGoogleのペイドクリックの成長の鈍りを指摘するなど、米国の景気後退に伴うオンライン広告の不振が伝えられる中、年初よりGoogleの株価の下落が続いていた。しかし第1四半期決算が堅調な成長の維持を示したことから、発表直後から同社の株価は上下を繰り返しながら17%以上の上昇に達した。

Google CEOのEric Schmidt氏は、「DoubleClickの広告プラットフォームへの統合がユーザー体験を改善し、広告主やパートナーの価値を向上させるエキサイティングな新手法になると実感している。既存事業を軌道に乗せながら、さらに全てのユーザーの価値およびGoogleの長期的な価値を上乗せするチャンスの開拓に、今後も努めていく」とコメントしている。