ルネサス テクノロジは17日、16ビットフラッシュメモリ内蔵マイコン「R8C/Tiny」シリーズにおける車載機器向けラインナップ強化として、機能強化に加え、パッケージピン数を80ピンに増加した「R8C/38E」、64ピンの「R8C/36E」、48ピンの「R8C/34E」など合計12グループ、36品種を製品化した。2008年7月からサンプル出荷を開始する。

ラインナップが拡充されたR8C/Tinyシリーズ(左から80ピンLQFP、64ピンLQFP、48ピンLQFP)

同社はこれまで、車載ボディ制御向けローエンドマイコンとして、20、32、48ピンのR8C/Tinyシリーズを提供してきた。今回のラインナップ拡充に伴い、同シリーズは合計20グループ、64品種の品揃えとなる。また、20ピンから80ピンパッケージ品まで、機能互換を備えており、仕様変更が生じても大きな設計変更は必要がない。

拡充された12グループは、高速オンチップオシレータの発信精度を向上させ、±1%以内を実現している。これにより、外部発振子の削減が可能となり、機器の低コスト化を図ることが可能となる。

また、独自の内蔵フラッシュメモリ「データフラッシュ」にバックグラウンドオペレーション機能を内蔵、データフラッシュが書き込み/消去中でもCPUが命令を実行することができるほか、データフラッシュの容量を従来比2倍となる4KBに拡大、より多くのデータを格納することを可能にしている。

このほかの主な機能強化としては、電圧検出回路を3回路搭載、それぞれ1レベル、8レベル、2レベル(外部入力)とし、使い勝手を向上しているほか、CPUを介さずメモリとレジスタ間のデータ転送が可能なデータトランスファコントローラを搭載している。

開発環境としては、1ピンでインタフェースが可能なオンチップデバッガ「E8aエミュレータ」を用意。1ピンのみの接続のため、デバッグ時にもすべてのI/Oピンを使用でき、効率の良いプログラム開発が可能となる。さらに、ユーザープログラム実行中にRAMの参照、変更が可能なデバッグ機能も追加されている。

なお、これらの製品は動作温度範囲が-40~+85℃の範囲だが、-40~+125℃に対応した製品も2008年10月よりサンプル出荷を開始する予定としている。