ヤフーは17日、同社が提供する「Yahoo! オークション」において、自治体などが差し押さえた不動産などを競売する「官公庁オークション」の2007年度の落札額が、40億円を超えたと発表した。同オークションには2004年度の開始以来47都道府県全ての自治体が参加した事になる。同社では好調の理由を「出品者の信頼性の高さ」にあると分析している。

2007年度の落札額が40億円の大台を突破した「官公庁オークション」のトップページ画面

官公庁オークションには、自治体などが税金の滞納者から差し押さえた動産、不動産を競売する「インターネット公売」、財務省の保有する金貨を売買する「近代金貨インターネットオークション」、差し押さえ物件とは異なる自治体保有財産を売却する「公有財産売却オークション」の3種類がある。また、インターネット公売には、2007年度から国税庁も参加している。

2007年度の官公庁オークションの落札内訳は、国税庁を除くインターネット公売の落札額が12億9,793万8,271円、国税庁分のインターネット公売が4億2,561万5,476円、公有財産売却オークションが13億8,413万2,330円、近代金貨オークションが15億6,811万8,207万円。合計の落札額は46億7,580万4,284円となり、2006年度の31億632万1,117円に比べ、約15億円増加した。

2007年度に落札された物件では特に不動産の落札が目立ち、今年2月の時点で対前年度比502件の増加となっている。ヤフーでは官公庁オークションの好調ぶりについて、「出品者が自治体や国税庁など信頼性が高いのが急増の要因ではないか」と分析している。

ヤフーでは、税金を滞納したわけではないのに、納税者が落札金の使途を東京都への納税に限定した契約を交わした上で、"自己希望"で財産をオークションに出品する「東京型物納オークション」を1月29日から開始している。物納オークション実施の背景には、景気の悪化傾向があると思われるが、差し押さえ物件が中心となる官公庁オークションの好調ぶりにも、同様の背景があると推測される。