米IBMは4月16日(現地時間)、同社2008年第1四半期(1-3月期)決算を発表した。同四半期の売上高は245億ドルで前年同期比11%の上昇、純利益は23億ドルで同26%の大幅アップとなった。今期の増収増益を後押しした理由の1つが為替で、ドルが全通貨に対して弱くなっていることを受け、特にEMEA(欧州/中東/アフリカ)地域やアジアなどの地域で軒並み2桁増の大幅売上アップを達成している。そのほか、IBM Global Servicesやソフトウェアのライセンス売り上げが好調だったことも増収増益に貢献した。

「我々は、2008年の残りの期間も良好であると感じている」と米IBM会長で社長兼CEOのSamuel Palmisano氏は述べている。米国が景気後退期に差し掛かり、世界的にも2008年以降の見通しに暗雲がかかる中でのコメントだ。「IBMは2008年の良いスタートを切ることができた。これは、ダイナミックな世界経済を乗り切るだけの力がIBMにはあるということを示すものだ」(Palmisano氏)

地域別にみると、最大の市場である南北アメリカ地域での売り上げは99億ドルで、前年同期比8%(為替調整前6%)のアップとなっている。一方でEMEAは88億ドルで同16%(為替調整前4%)アップ、アジア太平洋地域は51億ドルで同14%(為替調整前3%)アップとなる。このように、為替調整前の売上増加率は微増のレベルにとどまっており、今回の大幅業績アップは世界的なドル安を背景にした為替事情に後押しされたものであることがわかる。

事業別でみると、同社の主力事業であるサービス部門のIBM Global Servicesの売り上げが同17%アップ(以後、すべて為替調整後の数字)と、2桁水準での成長を達成した。Global Technology ServicesとGlobal Business Servicesともに17%水準で伸びており、それぞれの売り上げは97億ドルと49億ドルになっている。一方でサーバなどのハードウェア製品を扱うシステム&テクノロジー部門は42億ドルの売り上げで、同7%のダウンとなった。新製品を発表したメインフレームのSystem zが躍進する一方で、UNIXサーバのSystem pとx64サーバのSystem xはほぼ横ばい、System iは同21%マイナスの大幅減となった。ストレージ製品は同10%アップ、それ以外のテクノロジー部門の売り上げは同20%ダウンとなっている。

ソフトウェア部門の売り上げは48億ドルで、こちらは前年同期比14%アップとサービス部門と並んで好調を維持した。好調なのがWebSphereやTivoli、Lotus、Rationalなどに代表されるミドルウェア製品群で、売り上げは同16%アップの38億ドルだった。この中でも特に好調なのがInformation Managementと呼ばれる製品群で、BIベンダの加Cognos買収を受けて同27%の大幅売上増を達成している。WebSphereも同20%増だったほか、Lotusも同17%アップと2桁増を達成している。