ISPや通信事業者が加盟するテレコムサービス協会など通信事業者4団体は17日、4団体に所属する事業者からの相談を受け付ける「違法・有害情報相談センター」の相談受付対象を、4団体に所属しない事業者などに拡大する方針を明らかにした。「学校裏サイト」など、対応が難しいサイトが増加していることに業界全体で対応を強化する。

インターネット上の違法・有害情報への対応については、「プロバイダー責任制限法」が2002年に施行され、ISPによる違法・有害情報の削除や発信者情報開示請求への対応などについて定めた。また、電気通信事業者協会、テレコムサービス協会、日本インターネットプロバイダー協会、日本ケーブルテレビ連盟の業界4団体も、同法関係ガイドラインや違法な情報への対応に関するガイドラインを策定し、ガイドラインに基づく対応を推進してきた。

業界4団体はさらに、加盟各社からの相談に応じるため、「違法・有害情報相談センター」を今年1月に設立し相談に応じてきたが、4団体に加盟する事業者は約600社にすぎず、実際に通信事業を行っている約2,000社の半分にも満たないため、相談対象事業者の拡大が課題となっていた。

また、最近では、「学校裏サイト」など、削除していいのかどうか分からない有害サイトが増え、「相談内容が難しくなっているのが現状」(テレコムサービス協会)で、中小ISP事業者などが判断に迷うケースも多い。

こうした状況を受け、違法・有害情報相談センターでは、所属各社以外の中小ISP事業者などに相談対象を拡大する方針を固め、早ければ今月中にも相談対象を拡大することにした。

同センターが設置されているテレコムサービス協会 サービス倫理委員会委員長の桑子博行氏は、「削除できるかどうか、発信者情報開示をしていいのかなどについて、法的な側面を考慮して相談に応じたい」と話している。