イスラエルCheck Point Software Technologiesは15日(チェコ時間)、チェコ・プラハで開催中の年次イベント「Check Point Experience 2008 EMEA」で、今年最大の発表としてハイエンドのUTM(統合セキュリティ)アプライアンスブランド「Power-1」を発表した。このほか、エントリ - ミッドレンジの「UTM-1」も3機種発表し、製品ポートフォリオを完成させた。
UTMは、ファイアウォール、VPN、IPS(不正侵入防止システム)、ウイルス対策ソフトウェアなど、複数のセキュリティ機能を統合したアプライアンス。Check Pointは昨年この市場に参入、UTM-1ブランドで展開している。
この日発表した新ブランドPower-1では、「Power-1 9070」と「Power-1 5070」の2機種を投入する。ともにハイエンドUTMで、これまでの中小規模企業(SMB)から大企業データセンターへとターゲットを拡大する。高度なアクセラレータ技術を用いることで、パフォーマンスを強化した。
ロードバランシング、ダイナミックルーティングなどの高可用性機能をもち、同社のパッチアップデートサービス「SmartDefense」を利用できる。単一の管理コンソールでCheck Pointのほかのゲートウェイセキュリティ製品とともに管理できる。
旗艦製品となるPower-1 9070は、ファイアウォールのスループット14Gbpsを実現、IPSのスループット6.1Gbps、VPNスループット3.7Gbpsを実現するなど、高速な通信速度を特徴とする。ポート数は最大18口サポートし、リムーバブルディスク、二重電源など冗長化構成を持つ。価格性能比は1Mbpsあたり4ドル、ハイエンド分野では最高という。
Power-1 5070は、ファイアウォールスループットは9Gbps、ポート数は14をサポートした。
UTMは、実装、運行、管理のコストと手間を削減できる点が最大のメリットといわれているが、大企業では導入が少ない。Power-1は、データセンターをターゲットとしたもので、大企業のニーズにこたえる。
このほか、UTM-1ブランドではエントリの「UTM-1 Total Security 270」と「UTM-1 Total Security 270」、ミッドレンジの「UTM-1 Total Security 3070」の3機種を発表した。これにより、価格帯は2,000 - 5万5,000ドルまで、性能は0.2 - 14Gbpsまで8機種をそろえ、「ビジョンを完成させた」(同社CEOのGil Shewd氏)としている。