富士通の子会社で、半導体ベンダの富士通マイクロエレクトロニクス(FML)は14日、4月8日に小野俊彦前社長が退任したことに伴って社長に就任した岡田晴基氏が社長就任の会見を開催した。
同氏は、1973年の富士通入社以来、同社の購買部門を一貫して担当してきた。購買を通して、半導体関連企業の経営陣とも面識を有しており、社長就任以前も富士通マイクロエレクトロニクスの非常勤取締役を務めるなど、「半導体業界を経験してきた」という。
同氏は就任にあたって「突然の拝命で、身が引き締まる思い」としたものの、「購買部門を通して、富士通のビジネスを変えてきた。"進取の気性"で前向きに未来志向の会社にしていきたい」と抱負を語った。また、「より強く、よりたくましく、顧客に愛される集団にしていくために全身全霊をかけてやっていく」とした。
今後の事業方針については、「方針の変更はない」としながらも、「基本的な点ではお客様視点でビジネスを進めていくことが重要になる」とした。また、現在直面している課題として、海外の営業体制を取り上げ、「売上高全体に占める割合は2割程度。これを4割から5割程度まで引き上げていかなくてはならない」としたほか、ASICからASSPへとビジネスの軸足を移していく上でIPベンダなどとの提携による「IPの強化」が重要になるとした。
さらに、32nmプロセス以降の研究開発や設備投資については、まだ白紙の段階としながらも、「可能性があるのなら協業も考えていきたい」とし、早ければ2008年度中に結論を出すとした。