次期Firefox 3のリリースへ向けたベータリリースが進められている。執筆現在での最新版はFirefox 3 Beta 5だ。Firefox 3の大きなブランディングになるとみられる新しいUIの導入や、OSごとに調整されたデザインの導入にはじまり、対応している機能の多さや新機能の使いやすさなど、すでに繰り返し公開されているFirefox 3ベータリリースの評判は上々だ。
フロントエンドプログラマやWebデベロッパとして気になるのは、そうした各種機能もそうだが、Webアプリケーションにおいてエクスペリエンスの要となるJavaScriptの実行速度だ。その点においてMozilla Foundation, JavaScript Evangelist, John Resig氏が2月29日(米国時間)、自身のブログにおいて興味深い実行例を紹介している。
同氏はJavaScriptで実装されたRuby仮想マシンHotRubyを紹介し、Firefox 3 Beta 5のポテンシャルの高さを主張している。HotRubyはYARVでコンパイルされたコードを実行するJavaScriptで実装されたRuby仮想マシン。Webブラウザから直接使えるほかFlashのActionScriptでも動作する。Rubyコードを一旦サーバに送信してJSONデータ構造に変換し、Webブラウザ側でJavaScriptに変換して動作する仕組みになっている。
同氏が計測したベンチマーク結果は次のようなものだ。Firefox 3b5がFirefox 2よりも2.7倍ほど高速に動作していることがわかる。
- Firefox 3.0b5 - 2.47s
- Firefox 2 - 6.71s
- Ruby 1.8.2 - 12.25s
以前同氏が述べた内容によれば、FirefoxにおけるJavaScript VM実装はFirefox 4系でさらに高速化される見通しになっている。当然同氏が発表したベンチマーク結果は限定的なものにすぎないが、ほかにもJavaScriptの実行速度が改善されていることは報告されており、今後のリリースがその点で期待できることには違いなさそうだ。